(前回から読む) 5月9日投票の韓国大統領選挙で、左派「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補の当選が確定し、準備期間を置かず直ちに大統領に就任した。北朝鮮の核武装を巡り、米朝の軍事的緊張が高まる中で「反米親北政権」がどう動くかが焦点となる。 「北との融和」唱える文在寅 文在寅氏は5月9日午後11時50分過ぎ、ソウルの中心部の光化門広場で「国民の念願する改革と統合という2つの課題すべてを果たす」と演説した。 文在寅大統領の勝利は、2期9年間続いた保守政権への幻滅が原動力となった。韓国では朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領を弾劾する過程で、政府や財閥など「力を持つ者」への不満が噴出。「進歩・革新」を掲げる文在寅氏はその波に上手に乗った。 保守勢力は文在寅政権の登場を防ごうと、自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏に期待をつないだ。同候補は選挙終盤で支持を急速に伸ばしたが、及ばなかった(「韓