ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ前大統領は週末に開かれた労働組合員の会合で、同国の左派の政治家たちが「迫害」に苦しんでいると発言した。 ルラ・ダシルバ氏の属する左寄りの与党・労働党(PT)が貧困層の生活水準を引き上げたことについて、「エリート主義者たち」(名前は明かさなかった)が嫉んでいるというのだ。 「テレビで今日見られることは、ユダヤ人を犯罪者にしていったナチスのようだ」とも語った。 確かにルラ・ダ・シルバ氏の言う通り、PT主導の連立政権がかつてない圧力にさらされていることは事実だ。しかし、「迫害」を行っているのはナチスではない。犯罪の予防と独立性の強化に力を入れているブラジルの連邦警察、検察庁、そして判事だ。 検察庁は先週、ブラジルの権力者は罰せられないという伝統を破り、国有石油会社ペトロブラスでの汚職に関与した容疑で、ブラジルで最も有力な建設会社経営者2人を正式に起訴した