昔、母に「偉い作家さんが、食糧危機に備えて、米を自宅に蓄えているそうだ」という話をしたことがある。食糧難を経験した母は感心するかと思いきや、「その作家さんは、ご近所に隠れて、ご飯を食べるつもりなのかい?」と返された。なんだか、自分だけが助かれば良いという心根を見透かされたようで、少し恥ずかしく感じた。苦難にあって、どう備えるべきか、その答えは、一人では出せないものだ。 ……… 総選挙で与党が2/3を制し、消費増税の使途変更による幼児教育の無償化などの実現は確定的となった。しかし、高等教育での大幅な負担軽減は、財源が足りずに、ほとんどできないだろう。そこで、出世払い型の奨学金が実現できないか考えてみた。むろん、前回と同様、公的年金を活用することになる。結論から言うと、可能なんだけど、連帯する力を日本人がどれだけ持っているか、試されるような気がするね。 まず、奨学金の額だが、大学4年分の学費を