ピーター・ドラッカーやマイケル・ポーターといった経営学の大家が著した“古典”を読むだけでは、複雑さを増している現代のビジネス現象を解明し、競争を勝ち抜く戦略を見いだすことはできない。現在進行形の事象から得られた最新の知見を学び、戦略を組み立てることが必要だ。 この新コラムでは、気鋭の経営学者たちが現代経営学の最先端の世界へと誘う。まずは、ポーターらが確立してきた競争戦略論の新潮流について、4人の俊英に解説してもらう。 今回は引き続き、ベストセラー『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)を著した楠木建・一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授に聞く。前回に「静止画の羅列」でストーリーになっていない戦略は、真の戦略ではないと喝破した同教授は、ストーリーとしても優れた戦略の条件について語る。 (取材構成は、秋山 基=ライター) (前回のストーリーになっていない戦略は本物ではないから読む) ―