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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/JD-1976 (13)

  • Cool It ! - 事務屋稼業

    ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏のレポートが、方々で話題になっている。 アベノミクスで苦しむ氷河期世代〜内定率上昇・雇用者増の一方、30代は正規雇用者が減少。就職期が生む雇用環境の格差。 http://www.nli-research.co.jp/report/researchers_eye/2014/eye150210.html 記事のタイトルだけを見て反発したり、逆に喜んだりする人もいるかと思われる。しかし文は短いながらも、なかなかどうして興味深いものだ。 特に印象的な部分を引用させていただく。 第二次安倍政権発足直後と直近の雇用者数の増減を見ると、雇用者は100万人以上増えているが、増えているのは非正規雇用者であり、むしろ正規雇用者は減っている(図1)。年代別に見ると、25〜34歳以外では非正規雇用者の増加により雇用者全体は増加、あるいは横ばいだが、25〜34歳では非正規雇用者の増加

  • kmori58さんのご冥福をお祈り申し上げます - 事務屋稼業

    twitterにて、cloudyさんことkmori58さんの訃報に接しました。 病床にあっても常に批判精神とユーモアを忘れない姿勢に、陰ながら尊敬の念を抱いておりました。また、サブカルチャーから時事問題まで、該博な知識に裏打ちされた軽妙な語り口には、大いに楽しませていただいたものです。ときに私の何気ないつぶやきにも反応してくださったり、当方から教えを乞うたりしたことなどは、良い思い出です。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

    ko_chan
    ko_chan 2015/01/21
  • ピケティ・インタビュー - 事務屋稼業

    日の日経新聞にて、話題のトマ・ピケティがインタビューに応じている。 グローバル化に透明性を パリ経済学校教授・ピケティ氏 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF19H05_Z11C14A2SHA000/ ぶっちゃけピケティ関係の議論はほとんど追っていないんだけれども、例の「r>g」の話はそんな不心得者にさえも今やすっかりおなじみとなった感がある。インタビューではそれ以外の話がなかなか新鮮だったので、備忘録として一部引用させていただく。 ――グローバル化と格差の関係をどう見ていますか。 「グローバル化そのものはいいことだ。経済が開放され、一段の成長をもたらした。格差拡大を放置する最大のリスクは、多くの人々がグローバル化が自身のためにならないと感じ、極端な国家主義(ナショナリズム)に向かってしまうことだ。欧州では極右勢力などが支持を伸ばしている。外国人労

  • 販促動画は販促になっているか? - 事務屋稼業

    というお話です。総務省情報通信政策研究所の情報通信政策レビュー第9号から、山口真一氏の論文。 ゲーム産業におけるインターネット上の著作権侵害と経済効果―ゲームプレイ動画とゲームソフト販売数に関する実証分析― http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/icp_review/09/09-8yamaguchi2014.pdf 要旨だけですでにおもしろい研究では、インターネット上の著作権侵害による経済効果について、ゲーム産業を対象に実証分析を行う。問題意識は、著作権法違反であるゲームプレイ動画について、ゲームソフト販売数に与える影響を理論的に整理し、その効果を定量的に分析することにある。分析では、ゲームプレイ動画のゲームソフト販売数に対する影響を明示的に組み込んだ、ゲームソフト需要モデルを用いた。また、推定においては、

    販促動画は販促になっているか? - 事務屋稼業
  • 喉元過ぎれば - 事務屋稼業

    GDP速報発表で沸き立っているようですが、ここで小巻泰之氏の2014年4月の論考を振り返ってみましょう。 消費税増税における「認知ラグ」の影響 http://www.nli-research.co.jp/report/nlri_report/2014/report140417.pdf 当時一部界隈で話題になり、私もおおいに感銘を受けたものだ。冒頭の要約よりも最後のまとめのほうがわかりやすいので、そちらを引用させていただく。 消費税増税の影響ついて,駆け込み需要とその反動減に限れば,安定的な経済活動を行う上での撹乱要因になることは間違いなかろう。撹乱要因として指摘できるのは,増加→減少→増加と経済の変動が増減を繰り返すことではない。駆け込み需要と反動減の規模やその持続性が当該期には正確に把握できないことにある。 一般的に,統計データ等から経済状況を認識するまでの「認知ラグ(recogniti

  • 「うん、知ってた」の向こう側へ - 事務屋稼業

    JCERの「日経済研究」では、ときに興味深い論文が公表されている。今月はそのうちの2がとくに目を引いた。 まずはこちら。 景気後退と自殺、そのプロセス—都道府県別パネルデータによる考察 薄田 涼子 以下は概要である。 自殺者の多くが、生前に精神的ストレスや精神疾患を抱えている。既存の経済学的な自殺研究は、不況や失業と自殺リスクの相関を分析し、その間に精神衛生が徐々に乱れるプロセスがあることを暗示している。稿は、精神衛生に関する都道府県別パネルデータを用いて、不況期に自殺率が上昇するだけでなく、精神的ストレスが増大すること、精神疾患への罹患リスクや精神科治療への需要が増大すること等を示している。精神科治療に対する認識を高め、精神科治療体制を強化することを視野に入れた自殺防止策の重要性を示唆している。 それだけなら堅気の衆には「うん、知ってた」でかたづけられてしまう話かもしれない。だが、

  • ウッドフォード・インタビュー - 事務屋稼業

    日の日経新聞に「FRBは成長目標明示を」と題したマイケル・ウッドフォードのインタビューが掲載されている。おもしろいので、備忘録として以下に引用させていただく。 ——緩和手段の一つとして、ゼロ金利を解除するメドを2015年中に先送りする案が取り沙汰されます。 「現在は『14年終盤まで』としている継続期限をその通り実行するとの確約はなく、15年にしたところで緩和効果の点からはほぼ意味をなさない。市場はFRBの見通しが一段と悲観的になったと考え、消費者心理に悪影響を与えるだけだ」 「時間軸の効力を高めるには、金融引き締めに耐えうる将来の名目国内総生産(GDP)の伸びや物価水準などを設定し、そこに至る道筋を示す必要がある。あまり信用されていない時期を設けるよりも、目標の米成長率に達するまでは短期金利を上げないという方針をはっきりさせたほうが緩和効果が大きい」 ——8月の雇用統計悪化で、量的緩和第

  • 十年一日の如し - 事務屋稼業

    7月31日、日銀HPにて2002年1月から6月の金融政策決定会合議事録が公開された。 金融政策決定会合議事録等(2002年1月〜6月開催分) http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/record_2002/index.htm 当時の議論をうかがい知ることができる貴重な資料だけれども、ここでは2002年3月19日、20日の議事録から、一部で話題を呼んだ発言を備忘録として引用しておく。なお、引用元はこちら(PDF)である。 p.95より。 山口副総裁 一つ二つコメントがあるが、一つは中原眞委員が言われたインフレ・ターゲティングの問題で、政策のフレームとして政府と共通の目標を共有することには、それなりに意味があるのではないかという趣旨のことを言われたと思う。しかし問題はやはり、中原眞委員も言われたことだが、仮にそういう目標を共有したとして、どうやってそれを実

  • クルーグマンの信念―『さっさと不況を終わらせろ』 - 事務屋稼業

    言わずと知れたポール・クルーグマンの新刊である。 主張はいたってシンプルなものだ。いわく、不況のときに緊縮財政するな。政府は財政赤字なんか気にせずに拡張的な雇用創出政策をやれ。中央銀行はそれを支援しろ――これだけ。 で、この主張を補強するために、金融危機の前史から経緯をふりかえり、アメリカ、ユーロ圏、イギリスなどの現状を概観し、流動性の罠に関する不況の経済学をわかりやすく解説し、清算主義を批判する。とりわけ不況を「道徳劇」として見る発想をくりかえし批判している。 おおよその内容は「道草」で翻訳されているコラムとかぶるものが多いので、ぶっちゃけ新味のある話はない。しかし、こうしてまとまったかたちで読めるのはよいことだろう。とくに私のような紙のフェチには、じつにじつにありがたい。 どうでもいいことだけれども、一部で議論を呼びそうだなと思ったのは、次のくだり(p.143)。 フリードマンの取っ

    ko_chan
    ko_chan 2012/07/22
    “「借金は早く返さなきゃ後がこわいよね」という素朴な感情” を克服したのが欧州の左派だと思ってたんだが。おかしくなったのは右派や極左との連立が増えた所為なのかね。
  • レジーム転換がもたらすもの―『昭和恐慌の研究』 - 事務屋稼業

    ようやく読了。いまさら私ごときがあれこれ言うのもはばかられるほどの名著だ。 刊行以来6年、多くの人たちが書を読み、書評を寄せてきたであろうから、いちいち屋上屋をかさねるようなまねはやめておこう。ただ精読すべし、といえば足りる。 あ、そうそう。ひとつだけいいですか?(なんかコロンボみたいだな) 書が強く注意をうながすのは、「政策レジーム転換」の重要性だ。政策レジームとは何か。トーマス・サージェントによれば、「政策当局が経済状態の関数として繰り返し選択するためのルールの体系」のことだ。私流に噛みくだいていえば、政府はこれこれこういう「お約束」にしたがって経済政策を行ないますよ、という枠組みのことだろう。 昭和恐慌では、金位制という「お約束」が最大のレジームだった。日が金位制から離脱することがまずレジーム転換の第1段階であり、さらに日銀による国債引き受けが第2段階になった。この2段階の

    レジーム転換がもたらすもの―『昭和恐慌の研究』 - 事務屋稼業
  • イワタ式経済政策入門―『「不安」を「希望」に変える経済学』 - 事務屋稼業

    ご存じ岩田規久男氏の最新刊。『Voice』連載の記事に加筆・修正した単行……というふれこみだったが、いやはや加筆の量がハンパじゃない。むしろ、連載記事は書のダイジェスト版だったんじゃないかとさえ思える(連載記事の紹介については、このエントリからリンクをたどっていただければ幸甚です)。 岩田氏といえばいわゆるリフレ派の重鎮。書でもリフレ政策の重要性をくりかえしうったえている。すなわち、日銀法改正とインフレ目標の導入が必要不可欠であり、需給ギャップを早急に解消するには日銀の国債引き受けが有効だとする。 しかし、書の価値はそうしたリフレ政策のみならず、各種規制改革、税制改革、年金制度改革などなど、ミクロ経済政策、所得再分配政策に多くの頁を割いているところにある。言うなれば書は「イワタ式経済政策入門」なのだ。 中心となる思想は、まず市場の力を信じること。そして市場の力がおよばない分野には

    イワタ式経済政策入門―『「不安」を「希望」に変える経済学』 - 事務屋稼業
    ko_chan
    ko_chan 2010/07/03
    イワタ式いいね。オワタ式経済学ばっかりだからな、昨今。。。
  • 就活弱者のために―『偏差値40から良い会社に入る方法』 - 事務屋稼業

    世に出まわる就活のほとんどは、もともと就職活動を行なうに際して資質も能力もある学生を想定して書かれている。十余年まえに私が読んだもそうだった。明るくて、社交的で、情報収集に長けていて、そんな自分に自信がある人たち。まあ、そんな学生さんは就活なんか読まなくても就職できるんじゃないの、などと、明るくも社交的でもなく情報収集にも不得手で自信などあるわけない、口先だけの学生だった私は、皮肉なことを思っていたものだ。 書が凡百の就活とちがうのは、もともと就職活動を苦手とするような学生向けに書かれている点だ。いや、もうすこしていねいに言おう。そもそも就職活動というのは具体的にどういうことなのか? それには何がたいせつで、何がたいせつじゃないのか? 何をすべきで、何をしちゃいけないのか? こうした数々の問いに対して、田中秀臣教授は、基礎からわかりやすく説き明かしてくれる。 有名大学ではない学生

    就活弱者のために―『偏差値40から良い会社に入る方法』 - 事務屋稼業
    ko_chan
    ko_chan 2010/05/05
  • 伊藤隆敏氏のインフレ目標 - 事務屋稼業

    日の日経新聞「経済教室」で、伊藤隆敏氏がインフレ目標政策について論じている。多くの方々の目にとまった記事ではあるだろうけれども、備忘録の意味をこめて内容をご紹介しよう。 伊藤氏はまず、2008年9月以降の金融危機に対応するため、欧米各国が中央銀行のバランスシートを急激に拡大させたこと、そしてその際、望ましいインフレ率として2%近くを意識していたことを指摘する。日銀、欧州中央銀行(ECB)、FRBはインフレ目標政策を公式には採用していないが、望ましいインフレ率については、ECBは「2%以下だが、2%に近い数字」、FRBも「1.5〜2%」とだいたいおなじ数字をあげている。日銀は2009年12月に「中長期的な物価安定の明確化」として「CPIの前年比で2%以下のプラス領域にあり、委員の大勢は1%程度を考えている」と発表した。 しかし、いまやインフレ目標政策には「その限界がみえた」との批判がある。

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