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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (132)

  • メシアニズムなきメシア的なもの - 池田信夫 blog

    「希望」の話はまだまだ続き、今度は平岡公彦氏からむずかしいTBが来た。この問題がデリダやニーチェとつながるのは自然なので、少し立ち入って考えてみよう(これは別の意味でtechnical)。 デリダは『マルクスの亡霊たち』の中で、メシアニズム(messianisme)とメシア的なもの(le messianique)という区別を導入した。これは彼独特のわかりにくい用語法だが、簡単にいうとメシアニズムというのはキリスト教のように特定の目的をもつ積極的な救済、メシア的なものというのは「今とは違う状態」を求める否定的な救済である。いうまでもなくデリダが依拠するのは後者で、その観点からマルクスのメシアニズムを批判する。 マルクス主義は一度も幸福な社会を築いたことがないが、100年以上にわたって大きな影響力を持ち続けてきた。その最大の求心力は、現在の社会を全面的に否定して救済を求めるメシア的な希望を

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    mn_kr 2009/04/29
    “現代の不安の根っこ=大きな物語としてのメシアニズムが失われた喪失感。資本主義は成長という希望の物語をつむぎ続けることができなくなり、それに寄生してきたマルクス主義もメシア的な求心力を失った”
  • そしてもう一度夢見るだろう - 池田信夫 blog

    松任谷由実の3年ぶりのニューアルバム。正直いってあまり期待していなかったが、「デビュー35周年」にしてはまだ元気があるなと思った。 彼女は私と同じ学年で、たまたまデビュー・コンサートも聞いたので、時代的な体験も重なる。彼女の(人気の)ピークは80年代だった。そのころ私はNHKに勤務していて、彼女にインタビューしたことがあるが、松田聖子などにも曲を提供して多くのヒットを飛ばし、まさにバブルの象徴のような存在だった。「私が売れなくなるときは銀行がつぶれるときよ」という名言を吐いたが、その言葉どおり90年代に銀行がつぶれたころ、音楽的にもセールス的にも行き詰まった。 いま思えば、彼女の才能は「ビジネスモデル」を創造したことだったと思う。音楽的には最初の2、3枚のアルバムを除いてあまり見るべきものはないが、それまでのフォークソングがオープンソースだったとすれば、彼女は日のポピュラー・ミュージ

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    mn_kr 2009/04/29
    “80年代までは、はっぴいえんどやYMOなどが世界的にも通用する音楽をやっていたのですが、ユーミン的な「公式」ができてマーケティング志向になってからは、Jポップはガラパゴス化してしまいました”(コメント欄)
  • 希望を捨てる勇気 - 池田信夫 blog

    昨今の経済状況をめぐる議論で、だれもが疑わない前提がある。それはこの不況が、いずれは終わるということだ。日経済にはもっと実力があるので、政府が景気対策で「GDPギャップ」を埋めて時間を稼いでいれば、「全治3年」で3%ぐらいの成長率に戻る――と麻生首相は信じているのかもしれないが、昨年の経済財政白書は次の図のような暗い未来像を描いている: これは秋以降の経済危機の前の予測だから、潜在成長率は1%弱だが、今はマイナスになっている可能性もある。90年代の「失われた10年」と現在はつながっており、そしてこの長期停滞には終わりがないかもしれないのだ。これを打開するには、生産性を上げるしかない。特に雇用を流動化して労働の再配分を行なう必要があるが、それには非常に抵抗が強い。日の産業構造が老朽化しており、これを再編しないと衰退する、と多くの人が90年代から警告してきた。20年間できなかったことが、

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    mn_kr 2009/04/19
    “打開するには、生産性(TFP)を上げるしかない。特に雇用を流動化して労働の再配分を行なう必要があるが、それには非常に抵抗が強い”
  • ニューディール修正主義 - 池田信夫 blog

    ルーズベルトがアメリカを救ったという神話は、歴史家や経済学者によってくつがえされようとしている。この問題について開かれた会議のもようをNYタイムズが報じている。 ルーズベルトが金融を緩和して銀行の連鎖倒産を止めたことは評価されているが、失業率はニューディールが始まってからも下がらなかった。ジャーナリストAmity Shlaesの『アメリカ大恐慌』は、その原因はルーズベルトが裁量的に市場に介入したからだと説明している。歴史家Richard Vedderも「ルーズベルトが実質賃金を高止まりさせたために労働市場の調整が阻害された」と論じた。 Anna SchwartzもRobert Lucasも、財政政策によって経済を刺激するというケインズの理論は、おとぎ話だと批判した。政府支出は民間需要をクラウドアウトするだけで、意味があるのは金融政策だけだ。 ニューディールを擁護する歴史家は、むしろル

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    mn_kr 2009/04/07
    “ルーズベルトが金融を緩和して銀行の連鎖倒産を止めたことは評価されているが、失業率はニューディールが始まってからも下がらなかった|政府支出は民間需要をクラウドアウトするだけで、意味があるのは金融政策”
  • 史上最大の国営ギャンブル - 池田信夫 blog

    ガイトナー財務長官が不良資産買い取り計画を発表した。何しろ1兆ドルという史上最大のオークションだけに、賛否両論が渦巻いている。Mankiwは「私が半年前に提案したスキームと同じなのに、クレジットがない」とつまらないことに怒っている。DeLongは弁護しているが、Krugmanは否定的だ。The Obama administration is now completely wedded to the idea that there’s nothing fundamentally wrong with the financial system ― that what we’re facing is the equivalent of a run on an essentially sound bank. As Tim Duy put it, there are no bad assets, o

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    mn_kr 2009/03/25
    “もし正しい答を政府が知っているなら、それを民間に教えればいいのだが、たぶん本当の答は誰も知らない。オークションはtruth telling mechanismだが、真理が存在しない場合には大混乱になるおそれがある。”
  • シリコンバレーの「核の冬」 - 池田信夫 blog

    Web2.0バブルが終わった。グーグルの大成功をみて多くの企業が参入したが、結局ものになったのはグーグルだけだった、とEconomist誌は総括している。それはビジネスとしては「2.0」なんかではなく、ドットコム・バブルと同じ広告モデルしかなかった。そして景気の影響をもっとも受けやすい広告ビジネスは金融危機で消滅し、また「核の冬」がやってきた。 資主義の条件は持続的に利潤を生み出すことだが、その基盤となっている市場メカニズムは利潤をいつぶす。マルクスもいったように、「商品経済は偉大なレヴェラー(水平主義者)」なのだ。利潤率は傾向的に低下し、国内で鞘が取り尽くされたあとは植民地から、そして植民地が独立するとグローバル資主義による「経済植民地」から、それも限界が来ると金融資主義によって・・・と絶えず新しい利鞘を追求する自転車操業が資主義の宿命だ。 しかし利潤は市場や情報の不完全性

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    mn_kr 2009/03/21
    “利潤は市場や情報の不完全性によって生じる過渡的なレントにすぎないので、市場が効率化すればするほど速く価格は限界費用に近づき、利潤は消滅する|「商品経済は偉大なレヴェラー(水平主義者)」”
  • NTTの深謀 - 池田信夫 blog

    世間では大幅赤字で社長交代といったニュースが多いが、NTTグループの3月期決算は営業利益が1兆円を超え、日一になる見通しだ。ところが書もいうように、三浦社長は記者会見では「必ずしも楽観できる状況ではない」と先行き不透明を強調する。あるアナリストは「業績がよくないのに強気の社長は多いが、もうかっているのに暗いことばかりいうのはNTTの社長だけだ。あれでは買い推奨はできない」とあきれていた。 経営者がみずから将来のキャッシュフローを過小評価して株価を下げるのは株主に対する背信行為だが、これには裏がある。あまりもうかっているというと、また分割論や接続料引き下げなどの規制強化が出てくるからだ。つまりNTTの経営者は、株主価値の最大化ではなく企業規模の最大化を目的として行動しているのだ。これはempire buildingとよばれるエイジェンシー問題の典型である。 さらにNTTの再々編を議論

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    mn_kr 2009/03/21
    “経営者がみずから将来のキャッシュフローを過小評価して株価を下げるのは株主に対する背信行為だが、これには裏がある。あまりもうかっているというと、また分割論や接続料引き下げなどの規制強化が出てくるから”
  • The Black Swan - 池田信夫 blog

    ふつう自然科学や経済学で確率を考える場合、ほとんど正規分布を仮定している。しかし実際に世界を動かしているのは、そういう伝統的な確率論で予測できない極端な出来事――Black Swanである。 たとえば9・11の前に、今のように厳重なセキュリティ・チェックが提案されても通らなかっただろう。飛行機ごとビルに突っ込むという行動は、人々の確率論的なリスク評価の枠外にあったからだ。このように、いわばメタレベルで人々の予想を裏切る現象がBlack Swanである。ここでは母集団が未知なので、その確率分布もわからない。圧倒的多数の出来事はごくまれにしか起こらないので、その分布は非常に長いロングテール(ベキ分布)になる。 著者がBlack Swanを理解していた唯一の経済学者として挙げるのがハイエクだが、実は彼より前にこの問題をテーマにしたがある。Frank Knightの"Risk, Uncert

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    mn_kr 2009/03/17
    正規分布に従わない例外的〈出来事〉の不確実性=“圧倒的多数の出来事はごくまれにしか起こらないので、その分布は非常に長いロングテール(ベキ分布)”|id:tokadaさん、もし良ければ↓の件詳しくお願いします。
  • 診療報酬をごまかす権利 - 池田信夫 blog

    きのうの日経新聞の社説に、レセプトの電子化の話が出ていた。この話は昔、取材したことがあるが、いまだに電子請求の割合が「病院は57%だが診療所は4%にすぎない。歯科の請求にいたっては、いまだにすべて紙のレセプトに頼っている」という状況には驚いた。私の通っている歯医者さんの伝票はすべて電子化されているが、それを保険組合などに送るときは、全部わざわざ紙に打ち出しているわけだ。 おまけに政府の決めたレセプトの「完全電子化」を「原則電子化」に変え、3月中に閣議決定し直すよう求める声が自民党内に広がっているという。医師会などは「専用のコンピューターシステムを導入するための投資負担が重い」などという理由をあげているが、これは見えすいた嘘である。日経の社説も指摘するとおり、レセプトが電子化されると診療報酬の不正請求がチェックしやすくなるからだ。 レセプトのチェック体制は、信じられない前時代的なものだ。

  • [中級経済学事典] 評判メカニズム - 池田信夫 blog

    最近の雇用問題や天下りをめぐる議論をみていると、「派遣切りはかわいそうだ」とか「天下りはけしからん」といった事後の正義によって政策が決まる危険を感じる。こうした問題の根的原因は、日企業の成功を支えた長期的関係(会員権)に依存した評判メカニズムがうまく機能しなくなったことだ、というのが拙著の主張である。これは私のオリジナルではなく、Krepsによって理論的に明らかにされ、Greifが歴史的に実証したもので、ゲーム理論業界ではおなじみの古い話だ。個別に説明するのは面倒なので、厳密な論証は拙著の第5章を読んでいただくとして、ここでは霞ヶ関の人々が公務員制度を考える際の参考になりそうな部分(pp.90-94)を、少し長くなるが丸ごと引用しておく:いわゆる日的雇用慣行の特徴をなすのは,終身雇用,年功賃金,企業別労働組合の3 要素であるといわれる.これらは個別に見ると必ずしも日に固有ではなく,

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    mn_kr 2009/02/04
    “退出障壁によって労働者を企業に閉じこめるメカニズムは,個別の労働者をモニターする代わりに「一流企業」で得られるレントを「裏切り者」から奪うことによって契約の拘束性を確保する多角的評判メカニズム(Greif)
  • ヒューマン・アクション - 池田信夫 blog

    1160ページ、1万2000円の書(初版1949年)は、万人におすすめできるではないが、行動経済学の研究者には参考になると思う。ミーゼスは経済行動を物理学のようにメカニカルにとらえる新古典派理論を拒否し、人間の行動の哲学的分析から出発したからだ。 彼は結果としての均衡ではなく、そこにいたる過程を重視した。一般均衡においては価格と限界費用は一致して利潤は消失するが、資主義は利潤を追求するために不均衡を作り出す過程である。市場のコアにあるのは「効率的な資源配分」ではなく、不完全な知識しかない人々の不合理な行動が、社会的に不安定な結果をもたらさないように修正するメカニズムである。 この理論は、Kirznerによって「起業家精神」の理論として継承され、現在でもイノベーションの経済分析として数少ない業績のひとつである。新古典派の単純で一面的な人間理解に比べれば、ミーゼスの考察のほうが他の社

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    mn_kr 2009/01/21
    “資本主義は利潤を追求するために不均衡を作り出す過程である。市場のコアにあるのは「効率的な資源配分」ではなく、不完全な知識しかない人々の不合理な行動をコーディネートするメカニズム”
  • 不況のサイクル - 池田信夫 blog

    時間的には必ずしも正確に対応していないが、同じような段階をへて危機が深化してゆくことがわかる。今は初期の需要ショックの影響が、雇用に出てきた3の現象的段階だ。ここで「雇用対策」がとられるのも定型的事実だが、雇用不安というのは不況の結果にすぎないので、それをいくらいじっても問題は解決しない。次の段階では場当たり的なバラマキが行なわれるが、これまでの経験ではほとんど効果がない・・・ということがわかってくると、人々の不満が政治に向かい、90年代には政権交代が起こり、2000年代にも小泉内閣によって擬似政権交代が起こった。 次の段階では、金融システムに影響が及ぶだろう。90年代には、不良債権処理を大蔵省が先送りして世界最長の不況を作り出したが、2000年代には「竹中プラン」などで曲がりなりにも最終処理が進められた。その前例からみると、今回も不況が長期化すると金融システム不安が再燃する可能性がある

  • ソーシャル・キャピタル - 池田信夫 blog

    派遣村についての短い記事には驚くほどの反響があり、毎日のように取材が来る。きょうもCSの番組で話したが、気になったのは私が「労働を市場原理にまかせればすべてOK」と主張していると受け取り、「市場原理主義」を批判するパターンが多いことだ。以前の記事でも示唆したように、労働サービスには普通の商品とは違う特性があり、それを無視しては派遣の問題は語れない。 書のテーマとするsocial capitalは、ベッカーの人的資が個人を単位としているのに対して、社会的なネットワークが資としての価値をもつと考える理論である。その典型が日の企業だ。トヨタがあれだけ高い効率を実現できるのは、従業員が思考様式や行動様式を共有し、命令しなくても自発的に協力するシステムができているからだ。終身雇用は、そうした社会的資を蓄積する手段だった。 さらに大企業の周辺には下請けネットワークがあり、彼らが雇用のバッ

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    mn_kr 2009/01/17
    “大企業周辺の下請けネットワーク=雇用のバッファ機能→90年代の長期不況で下請けが切られて系列ネットワークが崩壊→バッファが派遣労働者という形で露出|アメリカではEメール<SNS(通信手段) ”
  • ケインズの葬送 - 池田信夫 blog

    今年は、ケインズがあらためて注目された年だった。マルクスは完全に葬られたが、ケインズはまだ成仏していないようだ。今ごろ墓場からよみがえるのは彼も意ではないと思うので、その意義と限界を簡単にまとめておこう(この記事は入門的ではない)。 『一般理論』は非常に難解なである。脱線や重複が多く、前後で矛盾していて、統一的な理論モデルがどこにも書かれていない。これは「ケインズ・サークル」という研究会の記録をもとに書かれ、コアになったのはリチャード・カーンの乗数理論だったので、正確にはカーンとの共著だといわれる。この研究会のメンバーだったジョーン・ロビンソンも「ひどいだ」と評した。特に岩波文庫の訳は、絶対に読んではいけない。 乗数については、1933年にカレツキが(ポーランド語で)発表した理論のほうが数学的に明快だ。彼が依拠しているのは新古典派ではなくマルクスで、剰余価値率(マークアップ)が

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    mn_kr 2008/12/31
    “政府が特定部門に裁量的に支出するケインズ政策は有害無益な浪費⇒悪い均衡を脱却したら民間の経済主体が自律分散的にリスクをとって新しい均衡をさがす必要”|なぜ需要不足は価格で調整されない?の説明について
  • 金融危機についての入門的まとめ - 池田信夫 blog

    年末になって、屋にはぞろぞろ「大恐慌」が出てきた。現在の不況を「大恐慌」などと名づけるは、それだけで読まないほうがいい。それは著者が1930年代と現在の違いを理解していないことを示すからだ。しかし官僚やメディアにはそのレベルの理解も共有されていないようなので、今年の記事をまとめて金融危機についての入門的な知識をまとめておこう。ちょっと長いので、いつも読んでいる読者は飛ばしてください。金融危機の原因は大恐慌とは違う:今回のアメリカの金融危機の最大の原因は、住宅バブルの崩壊にともなって、複雑でリスクの見えにくい金融商品の逆淘汰が起こったことによる金融システムの崩壊だ。これは30年代の大恐慌とも日の90年代とも異なる21世紀型の危機であり、既知の処方箋はない。マクロ政策は、一時的な「痛み止め」の意味はあるが、今回の危機はそれだけで自然治癒するほど軽傷ではない。 大恐慌は再来しない:シュ

  • ロングテールの虚妄? - 池田信夫 blog

    WSJに"The Long Tail"の批判記事が出ている。筆者のLee Gomesによれば、「オンライン音楽サイトの曲の98%は四半期に1度は演奏(ストリーム)される」というChris Andersonの「98%ルール」は、実証データによって反証されるという。たとえば、 Andersonがこの「法則」の根拠としたEcastの最新のデータでは、四半期に1度も演奏されない曲が12%に増えているRhapsodyでも、まったく演奏されない曲が22%にのぼるEcastでは、10%の曲がストリームのの90%を占めるBloglinesでも、トップ10%の記事のRSSフィードが登録数の88%を占め、35%の記事にはまったく読者がいないといったものだ。これは十分ありうることだが、Andersonの論旨をくつがえすものではない。彼の質的な発見は、ウェブ上の情報の分布がベキ分布になっているということであり

  • 情報通信革命と日本企業 - 池田信夫 blog

    NTT出版から出した私の修士論文(1997)が、絶版になって久しい。古では入手できるようだが、最近、古いPCを捨てるときファイルを整理していたら、そのLaTeXファイルが出てきたので、コンパイルしてみた。PDFファイルで、約800KB。索引が抜けているほか、少しバグがあるが、ほぼ全文(192ページ)が復元できた。 これは最近、藤隆宏氏などが言っているモジュール化の概念を、日で初めて(Baldwin-Clarkとは独立に)提示し、契約理論で説明したもので、日経図書文化賞の候補になった。戦前からの日企業のコーポレート・ガバナンスをゲーム理論で分析した「歴史的制度分析」の一種ともいえる。日の「伝統的労使関係」と思われているのは1960年代以降に形成されたもので、「日人はすり合わせじゃないとだめだ」とか「終身雇用は日文化だ」などというのは神話である。 そうした労使関係や系列関係

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    mn_kr 2008/12/28
    コメント欄にて論文の電子化についての議論
  • プログラムされた父殺し - 池田信夫 blog

    おとといの短い記事が、予想外の波紋を呼んでいる。コメントも50以上ついているが、その多くが学生運動がらみであるところがおもしろい。今の若者にとっては神話的な時代なのかもしれないが、そのころを知る者として少し書いておこう。 最近もギリシャで反政府暴動が起きているが、こういうのは基的に学生がエリートとみなされる後進国の現象だ。日でも60年代の全共闘運動まではその傾向があり、1969年に東大に機動隊が導入されたとき、全共闘が「入学おめでとう」という看板を掲げたのは有名なエピソードだ。今はよくも悪くもそんなエリート意識はないので、「われわれが社会を指導する」という運動は不可能だ。 しかし若者が親の世代を否定する父殺し(patricide)の衝動をもつことは人類学で知られており、生物学的にも合理的だ。生物は生まれた以上、死ぬのが当たり前だと思われているが、実はバクテリアは死なない。個体に一定

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    mn_kr 2008/12/24
    父殺し(patricide)|“生物は生まれた以上、死ぬのが当たり前だと思われているが、実はバクテリアは死なない。個体に一定の寿命があるのは、有性生殖を行う原生生物や多細胞生物だけである”
  • 市場リスク 暴落は必然か - 池田信夫 blog

    書の原著は昨年、サブプライムローン問題が表面化する直前に出版されたが、ある意味でそれを予告し、従来のリスク管理の手法が通用しないことを警告している点で、"Black Swan"に似ている。著者もMITからウォール街に転じた「ロケット・サイエンティスト」だ。 従来は証券化によってリスクは分散されると考えられていたが、逆にレバレッジを通じて金融機関の密結合が生じ、複雑性が大きくなっている。普通の株式のリスクは株式市場を見ていればわかるが、オプションのリスクは原資産の価格を見てもわからない。地球の裏側で、何らかの事情で投資銀行が資金繰りに詰まってオプションを清算すると、そのオプション価格が暴落し、それがさらに他の銀行の清算をまねく・・・といった連鎖反応で、大きな損失がグローバルに生じることがある。 こうした問題は、経済学でもO-Ring理論として知られており、システムを疎結合=モジュール化

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    mn_kr 2008/12/21
    “空想的な理論にもとづく過剰な最適化をやめ、金融商品を単純化しレバレッジを低くして疎結合にする … 急速なイノベーションの続くファイナンスの世界ではリスクを単純化しゴキブリ的防御機構で対応するのが安全”
  • 今年のベスト10(本) - 池田信夫 blog

    今年も(半分は仕事で半分は趣味で)たくさん書評を書いた。週刊ダイヤモンドの書評は、まもなく10周年だ。当ブログのBooksカテゴリーにも、この記事を含めてちょうど100の記事がある。ここで取り上げたのは必ずしも買うことをおすすめするではなく、読んではいけないにはリンクを張っていない。左側の欄からリンクを張ったは★★★★☆以上なので、買っても損はないと思う。その中から10冊を選ぶと、When Markets Collide The Venturesome Economy 市場リスク 暴落は必然か まぐれ The Illusions of Entrepreneurship テロと救済の原理主義 CIA秘録 Against Intellectual Monopoly 生政治の誕生 暴走する資主義今年のテーマは何といってもサブプライム危機あらため世界同時不況だが、最近の