——三年がかりで模索し洗練し修正し拒絶し選択し続けてできあがった文章が、 あかの他人に、三十分にも足らない時間で、味わわれたり、読まれたりする ポール・ヴァレリー JR 作者: ウィリアム・ギャディス,木原善彦 出版社/メーカー: 国書刊行会 発売日: 2018/12/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る ウィリアム・ギャディス『JR』は特徴的な文体の小説だ。その叙述の特徴を見、それがどのような方針に基づいているのかを確認しよう。その方針はどのような問題意識から要請されているのかを考察しよう。そしてその叙述の特徴は物語内容となんらかの関係を持つのか、持つとすればそれはどのようなものなのかをみてみよう。 1. 特徴 ・ほとんど会話文から構成されている。(F1) ・間投詞、言い間違い、繰り返し、口癖、口ごもり、等、現実の会話では普通に見られるが小説では通常刈り取られ