今年の東大の前期入試の合格者は、昨年に大幅減となった麻布が持ち直したものの、一位の開成の大幅増が話題になった。その麻布で、いま中学入試の受験生が減っているという。名門・麻布で何が起こっているのか。ユニークな教育論で知られる麻布中学・高校の氷上信廣校長に聞いた。(聞き手=ノンフィクションライター神田憲行) * * * 麻布学園は、武蔵、開成と並んで私立御三家と呼ばれる中高一貫の男子校である。50年以上東大合格者数ベスト10をキープしながらも、制服と校則がないなど自由な校風で知られている。普通の進学校でない校風に憧れる受験生、保護者も多い。 だが今年の入試で、麻布の受験者数が減ったことが大きな話題になった。公立の中高一貫校が台頭してきて、私立受験界は中堅校以下は苦戦は予想されたものの、麻布などの難関校は関係なし、と思われてきたからだ。 ——今年の入試で受験生が減ったことが大きな話題になりました