この世を記号化したもの─地図 (文・今尾恵介) 先日、茨城県の龍ケ崎市へ行く用事があって常磐線の佐貫駅を降りると、改札の手前に「当駅は、マザー牧場の最寄駅ではありません」という貼り紙があった。マザー牧場といえば房総半島の有名な観光名所であるが、遠く離れたこの佐貫駅になぜそんなことを掲げてあるのだろうか。なるほど本来の最寄り駅である内房線の「佐貫町」と駅名は似ているけれど。 最近になってこの種の誤乗が多くなっているそうだ。「牧場へ行くつもりだったのに・・・・・・」と途方に暮れる人(カップルが目立つ)に、駅員さんはここからマザー牧場まで三時間ほどかかることを説明し、代わりに近くの名所である「牛久大仏」を紹介するのだという。 このようなケースが増えている第一の原因はスマホの普及であろう。電車の接続案内が簡単にできるからだ。マザー牧場のケースだと、最寄り駅をどこかで調べて「さぬき……」と入力するや
![マザー牧場に行こうとして茨城県竜ケ崎市に着いちゃう人が多い理由とは?検索したら「地図」も見よ!(今尾 恵介)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b8c870f87aa86cc7615db40d160000cab4ebf8ff/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fcommon%2Fgendai-shinsho%2Fimages%2Fmeta%2Fgs-ogp-image.png)