ウマノスズクサ(ウマノスズクサ科)の花は雌性先熟で、糞や腐肉に似た匂いで小型のハエをおびき寄せ、花筒の奥の球形の部屋へと誘導する。部屋には柱頭があり、ハエは後戻りができずに、そこに閉じ込められる。その後、雄しべが花粉を出すと、部屋から脱出できるようになり、花粉を付けたハエは花から出ていく。 ウマノスズクサ。ツル性の多年草。 ラッパのように開いた口は、細い管のような花筒を通じて、毬のように丸くふくらんだ部屋に通じている。 花の内部。部屋の底には、太い六角形の花柱がある。花柱の上部には6つの三角形の柱頭があり、側面には12個の雄しべがへばりついている。子房は下位で、断面には胚珠が6列に並んでいる。 雌性期の花の内部。みずみずしい柱頭は横に広がり、雄しべはその裏側に隠れて下方に面している。葯は黄色でまだ花粉を出していない。花筒の奥には毛が斜めに生え、一方通行しか出来ないようになっているため