「震災が起こったのは、施工期間の中で最も来てほしくない日だった」と施工者である大林組の田村達一・技術本部部長は振り返る。 電波塔には災害時にも放送を途絶えさせない使命があり、強い耐震性が求められる。東京スカイツリーの場合、外周部の鉄筋造りのタワーの中に、「心柱」と呼ぶ鉄筋コンクリート造りの高さ375メートルの円筒が入っている。 両者は構造的には別々で、オイルダンパー(油の粘性を使った制振装置)などで連結されている。心柱は地震の際にタワーと異なる動きをすることで、重りとなって、タワーの揺れを抑制する。このシステムで地震時の揺れを最大で50%抑えられる。 ちなみに、日本の伝統的な木造建築である五重塔には地震による倒壊の記録はない。中央に心柱を持つことが耐震性につながっていると言われる。 心柱はタワー内部の空きスペースで作るが、その前に「ゲイン塔」と呼ばれる地上デジタル放送用のアンテナがついた鉄
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