「お金いくらある?」。 弊社のCEO(最高経営責任者)である主人が聞いてきた。商品の企画や営業は主人の得意とするところだが、はっきり言って金勘定は苦手だ。創業まもない頃から弊社の財布はCFO(最高財務責任者)である私がしっかり握っている。 一体何を考えているのかと不安に思いながら返答した。 「どうして?」。 次に主人が発した言葉には驚いた。 「トラック2台分の電化製品を1万ドルで買いたい」。 トラック2台分で1万ドル。量のわりに安いのかもしれないが1万ドルを工面するのは簡単ではない。お金の都合がついたとしても、転売できる代物なのか。そもそも、なぜ単位が「トラック」なんだろう。 疑いの目で主人を見つめるとCEOは自信たっぷりで次のように説明した。電子レンジからプリンター、DVDプレーヤーなどありとあらゆる電化製品がトラック2台に満載されている。これでたったの1万ドル。マーケティンググッズとし