本連載ではバイオマス由来の2種のプラスチックを組み合わせ開発した、引き伸ばすほど強度が増す透明なフィルム素材を紹介します。今回は、プラスチックの問題や解決策として期待されるバイオプラスチックの基礎について説明します。 日本のプラスチック廃棄物量は年間約1000万t 私たちの生活は、衣料品、電子機器、食器類、包装フィルムなどに含まれるさまざまな「プラスチック」に支えられています。ここでは、プラスチックとは合成樹脂全般を指します。有機原料から合成されるプラスチックは、有機合成化学技術、高分子化学技術の発展に伴って、多彩な機能を実現するとともに、安価に大量生産が可能となりました。 プラスチックは多くの場合、軽量で成形しやすいばかりではなく、耐候性や耐腐食性にも優れています。これらに加えて、基本的に可燃性であるため、使用後には焼却処理することができます。 このように便利に使えてかつ気軽に捨てられる
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