「候補者は初日から喉を枯らして演説、声が出なくなってしまう。でもこれからは、自分の声をAIに記憶させて喋らせれば、喉を枯らさなくてもすむ。さて、次世代を最初に征するのは誰か?」 こういった内容でしたが、「これでは何回出馬しても落選確実」と、専門の観点から微笑ましく観察させてもらいました。 現在のAIが合成する音声は、ヒトの記憶に残りにくいのです。 AIで執拗に名前を連呼しても、ちっとも聴き手の印象に残らなかったら、選挙戦を制するのは難しいでしょう。 今回はそのメカニズムを、東京大学教養学部の1、2年生に講義するのと同じ水準で解説してみましょう。 なぜ久米宏の話術は記憶に残るのか? 分かりやすい例として、すでに50年近く前のテレビですが、昭和のヒット番組「ぴったし カン・カン」(TBS系列、1975-1986)と、典型的な合成音声の例としてアスキーアート動画「ゆっくりしていってね」冒頭の決ま