(武藤 正敏:元在韓国特命全権大使) 尹錫悦大統領は、国民との対話や官民の経済会議を通じ、2023年の韓国経済社会の重点課題を明らかにした。年金・労働・教育の3大改革である。だがこれとは別に、尹大統領は第4の改革を推し進めようとしている。それが「市民団体の改革」だ。 日本人の感覚からすれば「市民団体の改革」と言われても、そんな大それたことなのかと訝しく思うかもしれない。だが、実は韓国の市民団体は日韓関係改善にとってとんでもなく大きな障害となってきた経緯があるのだ。 市民団体を野放しにしてきた文在寅政権 市民団体の多くは健全な活動をしている。だが、中には政府の補助金や市民からの寄付を不正に使用しているものがあると糾弾されているものもある。また、北朝鮮の主張を宣伝したり、北朝鮮と結びついて社会の混乱を招く活動をしたりしている団体がある。 その中には反日活動を煽る市民団体も存在する。日韓を離間さ