パナソニックは再生可能エネルギー100%で設備を稼働させるRE100ソリューションを展開しているが、2023年11月14日は英国で電子レンジなどの製造を行うパナソニック マニュファクチャリング イギリス(PMUK)で実証を開始することを発表。前編では、このRE100ソリューションの英国展開について紹介したが、後編では先行して実証を進めていた草津RE100ソリューション施設「H2 KIBOU FIELD」の実証内容とその実績について掘り下げて紹介する。
FCV(燃料電池自動車)であるトヨタMIRAIが第2世代となり、都心部では燃料電池バスが路線バスとして活躍しているが、世間のイメージでは「水素社会はまだまだ先のこと」というイメージだろう。 しかし実際には日本国内でも着々と水素エネルギーの利用が進んでいる。FCバスは水素利用を意識することなく乗車できるし、周囲に走っているクルマがEVでもFCVでも、無関心なドライバーが大多数、ということなのだ。 意外と知られていないが、全国各地で水素は利用されている。FCVではなく、工場の副生水素を発電機やFCフォークリフトの燃料として利用しているところが広がっているのだ。 それでもエネルギー全体で見れば、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料と比べれば微々たる量でしかない、というのもまた事実だ。普及への道筋をどうつくり導いていくか。ということも課題ではあるのだが、「この意外と知られていない」ことも問題なのだ。
日本原子力研究開発機構は、高温ガス炉や水素製造・熱利用技術の取り組みの強化に向けた「高温ガス炉プロジェクト推進室」を設置した。高温工学試験研究炉(HTTR)を活用した水素製造の技術の確立だけでなく、海外との事業連携・参加が増えると見込まれることから同推進室の設置を決定。12人体制で、渉外・広報業務などを担当する。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現への動きが加速すると見られる。 HTTRと接続した水素製造施設を設置して、原子力を使ったカーボンフリーな水素の製造方法の構築を目指している。特に両施設を安全に接続する設計・評価技術などが重要であり、2030年までに完成することを目指して開発を進めている。日本の高温ガス炉の研究は世界からも注目されており、同接続技術が確立できれば世界初となる。 日本の持つ高温ガス炉の技術を求める声は多い。原子力機構はポーランドが導入を検討している
水素回収の新技術開発 既存の精製過程不要―大阪大 2022年10月28日07時13分 天然ガスなどから水素を製造する際、不純物として生じる一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)などを簡単に除去し、水素だけ高純度で回収する基礎的な技術が開発された。大阪大大学院工学研究科の星本陽一准教授らが27日、米科学誌サイエンス・アドバンシズに発表した。 東芝、水電解装置用電極で新技術 イリジウム量10分の1に 水素製造は精製過程がネックになっており、実用化されればコストが大幅に下がり、自動車の燃料電池などへの利用が加速すると期待される。 この技術は、水素を一時的に取り込ませ、貯蔵する液体の有機化合物「2―メチルキノリン」とホウ素などから成る触媒「B1」の組み合わせ。 耐圧反応容器内で有機化合物に触媒を混合した上で、COやCO2を含む水素ガスを加えて100度で2時間加熱すると、水素だけ有機化合物に取り込
当社の水素生成工場では、面積約78㎡(23.6坪)の水素生成室で、300㎥/h(7,200㎥/日)の水素を生成することが可能です。(貯蔵、自動投入、ドライヤー等は含まず) 生成した水素は、工場の外に設置している6基(14t/基)の水素貯蔵タンクに、低圧にて水素を充填することができます。 ※水素生成1ライン:水素生成量300㎥/h、尚、場所(スペース)が確保できれば、ライン数を増やすことで無限大に水素を生成することが可能となります。
東芝は水素をつくる水電気分解装置の電極製造に使うイリジウム(Ir)の量を従来の10分の1に抑える技術について、生産効率を約500倍向上した。大型の成膜スパッタ装置を使い、従来比約500倍の5平方メートルの膜を一度につくれる。水電解装置メーカーによる評価を始めており、2023年度以降に電解質膜と電極を一体化した膜電極接合体(MEA)として製品化を目指す。 東芝はスパッタ技術により、酸化イリジウム(IrO2)を均一に分散したナノメートル台(ナノは10億分の1)の薄膜を形成することで、従来の塗布方式よりもIrO2使用量を10分の1に抑えながら82%の水電解効率を維持する技術を2018年に開発済み。ただ、一度に成膜できる面積が100平方センチメートルで、生産効率の向上が求められていた。 水素は再生可能エネルギーを貯蔵・運搬する手段として注目されており、水を電気分解して水素をつくる電解装置の需要は、
テラ・ラボ(愛知県春日井市、松浦孝英社長)は、水素燃料電池(FC)で飛ぶ垂直離着陸タイプの無人航空機「テラドルフィン4300 eVTOLタイプ」を開発した。FCは国産で飛行時間は2時間、航続距離は200キロメートル、最高時速は150キロメートル程度。垂直離着陸で滑走路が要らないため、洪水の被災地調査をはじめ消防や官公庁などの需要を狙う。 地上から垂直離陸する飛行試験は2021年末に福島県南相馬市で終えており、23年までに水素FCの飛行実験を目指す。 機体はガソリンエンジンを搭載した「テラドルフィン4300」をベースとしつつ、エンジンは胴体後部のものと垂直離着陸用の4個の計5個を、すべて水素FC駆動とした。水素FCの場合、リチウムイオン電池に比べ大幅に飛行時間を延ばせるほか、発生する騒音もガソリンエンジンよりはるかに小さい。沿岸警備などに用いた場合、相手に発見されにくい長所もある。 機体寸法
ガソリンの高騰は「電気自動車シフト」を生む? 「ガソリン高すぎて、もうキレそう」 「ガソリン代で今月ピンチ……」 「いつまで値上がりするのか……」 こんな声がTwitterユーザーの間に溢あふれている。 ガソリン価格が記録的な高騰を続けている。資源エネルギー庁が発表した、4月4日時点のレギュラーガソリンの価格は、1リットルあたり174円10銭という高水準だ。庶民にとって、ガソリン価格の高騰はもちろん痛手に違いない。 岸田政権も、ガソリン元売りへの補助金など、対策を打ち出してはいる。だが、世論が期待する「トリガー条項の凍結解除」には、依然として慎重な姿勢をとっている。 さて、ガソリン高騰を受けて、「ある分野」に、今後ますます注目が集まりそうだという。 その分野とは、実は「電気自動車(EV)」だ。 ランニングコストはガソリン車の約半分 長年にわたりEVを研究し、『日本車敗北 「EV戦争」の衝撃
コマツは小山工場(栃木県小山市)内に出力1000キロワット級の水素燃料電池(FC)実験施設を2022年度に設置する計画を明らかにした。現在は神奈川県平塚市内の研究施設に16キロワットの小出力FCを設置し、データ取得の各種実験を行っている。鉱山現場で使う超大型ダンプトラックの場合、少なくとも1000キロワットの出力が必要。29年度のFCダンプ開発に向け、商品化に必要なデータを蓄積する。 FCは水素エンジンとともに、建設機械の将来の動力源候補の一つ。超大型ダンプやショベルは乗用車より重量や振動、駆動パワーが桁違いに大きい。そのため、現時点で動力源についてはリチウムイオン電池よりもFCの方が可能性が高いとみている。 FCダンプの商品開発では、FC特有の制御や出力、負荷などの特性を実機データで確かめる必要がある。FCの製作をコマツが自社で手がけるか、他社と組むかは検討中。車載を想定した検証試験に続
九州大学大学院の楊井伸浩准教授、宇治雅記大学院生らは、光触媒による水素燃料製造や環境浄化の効率化に向け、重金属を用いずに可視光を紫外光に高効率で変換する分子性材料を開発した。従来は約8・2%だった変換効率を20・3%まで高めた。低コストで環境にも配慮した太陽光水素製造システムなどに応用できる。 強い可視光吸収を示し、異なる量子状態の間で起こる項間交差の効率が高いケトクマリン誘導体に着目。これとエネルギーを効率的に受け取り紫外域で発光するアクセプター分子を組み合わせた。 これにより変換に必要な励起光強度を1平方センチメートル当たり数十ミリワットまで下げられ、太陽光と同等の弱い強度で可視光を紫外光へ変換できた。従来は太陽光より1000倍程度強い可視光が必要だった。 「三重項―三重項消滅(TTA)」と呼ばれる、二つの励起三重項状態の分子が衝突してエネルギーが他方に移り、より高い励起状態となる過程
エア・ウォーターと戸田工業は、「ターコイズ水素」と呼ばれる環境負荷の低い水素を、都市ガスなどのメタン原料から高効率に製造するシステムを共同開発すると発表した。鉄系触媒を使うメタン直接改質法(DMR)の反応炉などを用いる。副産物として生まれるカーボンナノチューブ(CNT)を販売して産業ガス用水素のプラント引き渡し価格を引き下げ、政府目標より20年早い2030年に1立方メートル当たり20円の達成を目指す。 戸田工業の鉄系触媒とDMR連続式回転炉を使い、メタン原料から水素濃度70%の反応ガスと高導電性CNTを生成する。エア・ウォーターが膜分離と吸着分離の技術を用いて反応ガスから濃度99・99%以上の水素を精製。未反応ガスは反応炉で再利用する。CNTは戸田工業が導電性材料、放熱部材などの用途に販売する。 22年度に実証を終え、24年度の実機稼働を目指す。実証予算は約8000万円、実機は10億―20
タングステン炭化物を使った触媒を用いて、試験管に入れたアンモニア化合物から水素を発生させる森下政夫教授(手前)=兵庫県姫路市書写の兵庫県立大で2021年10月18日午後2時41分、近藤諭撮影 高価な白金(プラチナ)と同等の効率でアンモニア化合物から水素を抽出できる安価な新触媒を開発したと、兵庫県立大大学院工学研究科(兵庫県姫路市)の森下政夫教授(熱力学)の研究チームが発表した。次世代エネルギーとして期待される水素を、低コストかつ安定して生産し、活用する技術への応用が期待される。研究成果は英王立化学会誌に掲載された。 水素は常温では気体で存在する。単位体積当たりのエネルギー量を示す「エネルギー密度」は、ガソリンの3000分の1しかない。ガソリン車と同じ走行距離を確保しようと、水素を車に搭載可能なサイズに収めるためには、常温で5万6000リットルの水素に1000気圧以上の高圧をかけて圧縮し、燃
ENEOSは、2050年までに日本がカーボンニュートラル(脱炭素化)を実現するための一環として、CO2フリー水素・合成燃料事業などの商用化を目指す研究開発を現在進めている。 同社が進める研究開発の一端を示す典型事例は、2021年8月26日に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公表したグリーンイノベーション基金事業の1つである「大規模水素サプライチェーンの構築プロジェクト」の実証事業だ。 同プロジェクトでは、11件の研究開発テーマが設定されているが、ENEOSの提案内容が4件採択されている。 グリーンイノベーション基金事業/大規模水素サプライチェーンの構築プロジェクト」に係る実施予定先一覧(出典:NEDO) ENEOSが取り組む実証事業から、同社が目指す脱炭素社会の実現に向けた取り組みの概要が推定できるだろう。同実証事業での取り組みを、水素事業推進部 前田征児副部長に聞いた。 -
ドローン開発を手掛けるスタートアップ企業ロボデックスの貝應大介代表取締役は11月30日、水素燃料電池を用いたドローンのデモフライトをメディアに公開した際、ロジビズ・オンラインの取材に応じた。 貝應氏は、現状から大幅に飛行時間を長くすることが可能な水素燃料電池の実用化で、ドローンの産業利用が飛躍的に広がると展望。物流に関しても、離島や山間部など人が少ないところの上空を飛ぶ「レベル3」については「1~2年ほどで実現が見えてくるようになる。今思われているより驚くほど早いペースだろう」との見通しを明らかにした。 併せて、都市部上空を目視外飛行する「レベル4」も数年程度での達成が見えてくると解説。水素の安定調達にも自信を示した。水素燃料電池ドローンについては、2022年中に全国で実証飛行を重ね、まず自社で設計したドローンの販売にこぎ着けたいとの意向を表明した。 貝應氏 水素燃料電池ドローン フライト
大阪湾に面する堺市西区の築港新町。火力発電所や製油所、化学プラントが集積する、このエリアに世界から注目されるプラントがある。岩谷産業と関西電力が出資する液化水素プラント「ハイドロエッジ」だ。 燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素が次世代エネルギーとして脚光を浴びている。水素社会の実現のカギを握るのが液化水素だ。水素は常温では気体だが、マイナス253度で液体となる。液化することで体積は800分の1に縮小する。水素の大量供給のためには輸送コストを大幅に軽減できる液化が欠かせない。 ハイドロエッジが世界から注目されるのは、液化天然ガス(LNG)の冷熱を使うという独自の液化工程を採用しているからだ。 ハイドロエッジは液化水素と空気分離ガスの2つのプラントで構成されており、液化水素の製造は2段階の工程で行う。まず空気分離ガスプラントで、隣接するLNG基地から供給するマイナス162度のLNG
Kawasaki Vision for the Future 現在、私たちの暮らしは、エネルギー資源の大部分を石油や天然ガスといった化石燃料に依存しています。 しかしそのことは、地球温暖化という深刻な環境問題を引き起こすとともに、常に資源枯渇のリスクをはらんでいます。 安定的にエネルギーを確保すること。同時に、地球環境へ配慮すること。 このふたつの課題を解決する答えが、「水素エネルギー」です。 水素エネルギーがもたらす新しい未来を、世界中の人々へ。 Kawasakiグループの総合力を結集した取り組みは、すでにはじまっています。 ニュース 2024.05.07 国際水素展示会「WORLD HYDROGEN 2024 SUMMIT & EXHIBITION」出展のお知らせ 2024.04.26 1.8MW級 水素ガスタービン「PUC17MMX」がConnecting Green Hydroge
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