米国政府は2020年に、米中間の貿易戦争の一環として、Huaweiの子会社であるHiSiliconをスマートフォン向け半導体チップ市場から締め出す措置を取った。こうしてHiSiliconによって残された空白を、QualcommとMediaTekが埋めている。 中国政府の後押しを受けていたHuaweiと、その半導体設計部門であるHiSiliconは2020年7月頃、トランプ前大統領が半導体ファウンドリーのTSMCに対し、HiSiliconへの半導体供給を禁止していたにもかかわらず、世界スマートフォン市場においてトップの座を獲得し、5G(第5世代移動通信)事業でも優位性確立に向けた態勢を整えていた。 TSMCにとってHiSiliconは、売上高全体の約15%を占め、Appleに次ぐ最大顧客だった。しかし現在、TSMCはHiSiliconに半導体チップを供給していないため、その大きな空白地帯がQ