猪瀬直樹東京都知事が辞任した。医療法人徳洲会から現金5000万円を受け取った件で、都政や五輪準備が停滞した責任を取ったからだ。 猪瀬氏は政策には強かったが、政務は全くの素人だ。選挙前の段階で、しっかりした政務秘書も不在のまま、不用意に借り入れをしたとしかいいようがない。 信頼できる政務秘書がいれば、借りるべきか否かを判断したであろう。まず借り入れはあり得ないだろうが、もし借り入れるのであれば、猪瀬氏自身が議員会館まで取りに行くことはありえないし、もっと手続きをきちんとしただろう。都民が期待したのは、これまでの政治家にはない発想力で政策をしてもらうことだったので、まことに残念である。 猪瀬氏はさまざまな分野で大きな功績があった。石原慎太郎前都知事から請われ、2007年6月に副知事に就任したが、その前には、02年6月に道路関係四公団民営化推進委員会委員に就任し、多くの委員が脱落する中で、道路公