東北大学は10日、マウスのiPS細胞(新型万能細胞)を使って歯のエナメル質の元になる細胞を作り出すことに、同大大学院歯学研究科の福本敏教授らのグループが世界で初めて成功したと発表した。 研究成果は、米国科学雑誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」電子版で紹介されている。 福本教授らは、歯の元になるラットの歯原性上皮細胞とマウス由来のiPS細胞を混ぜて培養。iPS細胞をエナメル質を構成しているたんぱく質の一つ、アメロブラスチンを含む細胞に分化することができた。この細胞をエナメル質に変化させることができれば、歯の再生につながる可能性があるという。 福本教授はすでにiPS細胞から歯の象牙質の元になる細胞を作り出すことに成功しており、「全身のどの細胞からも、歯を作り出せる可能性が高まった」としている。