【放水全記録(上)】を読む 初の地上からの放水作業のため、警視庁の機動隊員らが最終目的地の福島第1原子力発電所に入れたのは、東京を出発してから26時間以上経過した17日午後3時40分。厳重に管理された免震棟には数十分かかってようやく入室できた。ここで隊員たちを驚かせたのは、連日の復旧作業に追われ、疲労の色を隠せない東京電力の社員と作業員らの大きな出迎えの拍手だった。(楠秀司)NHK画面にくぎ付け 「何とかしたい」「必ず任務を遂行して帰りたい」。隊員らの士気は最高潮に達した。最後の打ち合わせでは、当初の放水予定場所の放射線量が高いため、場所を変更することなどが説明された。 最終的に決まった作戦はこうだ。10人の隊員を3班に分け、計3回放水する▽1つの班は操作パネル担当、射手、給水管理の3人で第1班だけ現場セット担当を置く▽1回の放水量は車両タンクの4トンと近くに設置した仮設プールの40トンの