安倍晋三元首相が演説中に撃たれ、騒然とする近鉄大和西大寺駅付近=奈良市で2022年7月8日午後1時7分、川平愛撮影 安倍晋三元首相(当時67歳)が銃撃された事件は、2022年7月8日の参院選の応援演説中に起きた。あれから1年。凶行を目の当たりにした地元の県議らが「あの時」を振り返り、今も続く悩みを語った。 事件現場は奈良市の近鉄大和西大寺駅北口の交差点にある分離帯。参院選に出馬していた自民党候補の街頭演説会場だった。自民党奈良県連で幹事長を務めていた荻田義雄県議(75)は、小さな演壇の上で演説する安倍氏の後方すぐの位置で党所属の国会議員らとともに立っていた。 「なぜ、車道に人?」と思った直後 安倍氏が話し始めて3分ほどが過ぎた午前11時半ごろ、「バーン」という大きな音が後ろで響いた。振り返ると…