原子力規制委員会の田中俊一委員長は24日、毎日新聞のインタビューに応じ、政府が原発再稼働の前提としてきた電力会社による安全評価(ストレステスト)について「審査しない」と述べ、判断の根拠としない方針を明らかにした。既に30基の1次評価が提出されているが、手続きは白紙に戻ることになる。 政府は関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働について、ストレステストを基にした「暫定基準」で安全性を判断した。しかし、田中氏は、来年7月中旬までに新たな安全基準を法制化し、それに基づいて再稼働の可否を判断する意向を強調。ストレステストについては「(地震と津波に限定した)想定がこれでいいのかは議論がある」と疑問を呈した上で「参考資料であって、こだわることはない」と述べた。 さらに「防災体制がきちんとしていないと、国民の納得はいただけない」と話し、避難計画などの整備を重視する考えを示した。 また、再稼働の科学