内閣府の推計では、被災地にある企業設備の損害額は9兆~16兆円に上り、多くの企業が生産・販売拠点の操業を停止した。中でも津波で生産設備が浸水するなど壊滅的な被害を受けた工場や、東京電力福島第1原子力発電所の周辺にある工場などは、今も生産再開のめどが立っていない。 最大の障害は部品供給の停滞だ。半導体材料となるシリコンウエハーやプラスチックやゴムの原料になるエチレンは工場やコンビナートの被災で生産量が大幅に減少。その結果、被災地以外の完成品工場も生産停止に追い込まれた。自動車の場合、国内の生産停止台数は11~25日までで累計35万台(見込み)に及ぶ。 トヨタ自動車が24日、被災地以外の工場で28日から3車種の生産を再開すると発表するなど復興への動きも出ているが、部品調達難が解消されない限り生産の本格回復は望めない。