最近の中国側の動きを見ると、強気と弱気が奇妙に交錯しているように思える。 例えば、7月17日の安倍晋三首相の石垣島遊説について、中国網は「(同首相の)強硬な態度は、中国の戦略界および軍部にとって一文の価値もなく、日本の外交・軍事に詳しい識者にとっても無駄口に過ぎない」と切り捨てた。 参院選勝利後も、安倍首相が「前提条件のない首脳会談」を呼びかけたことに対し、7月29日、中国の外交部報道官は「中身のないスローガンを用いて、意見の不一致を覆い隠すべきではない」と批判したそうだ。外交部報道官ごときに言われる筋合いではないが、中国側の強気だけは伝わってくる。 8月11~12日に北京で予定されていた2つの日中シンポジウムも事実上中止となった。なぜか筆者もその1つに招待されていたが、中国側からは「種々の原因でやむなく延期される」とだけ連絡があった。もうそれ以上詮索する必要がないくらい、理由は明白だった