(2012年8月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 金融危機以降に取られた数々の目を見張る政策の中で、最も異例なものの1つは、ほとんど気付かれないまま実行された。デンマークが導入したマイナスの政策金利である。 ユーロとの厳格なペッグ制を維持するため、デンマーク国立銀行(中央銀行)は先月、銀行の主な預金金利――譲渡性預金(CD)金利――をマイナス0.2%に引き下げた。 デンマーク国立銀行は、ほとんど選択の余地がないと感じていた。投資家がユーロ圏外の逃避先、つまり、ユーロに関する為替リスクがなく、単一通貨の崩壊に対する安上がりな保護を提供する場所を求めてデンマークに殺到していたからだ。 世界が注視するデンマークの政策、ECBなどが追随する可能性も マイナス金利への動きは、世界中の中央銀行に注意深く監視されている。「我々がこれほど人気を集めたことはなかった」と、あるデンマークの政策立案者は
北欧諸国が社会保障のモデルとされるのを面白く思わない人は多い。国土、人口、税金、わかりやすい比較ポイントが並べられて、「だから日本では無理だ」と言われる。一方で、そうした福祉国家の成立条件うんぬんを言う以前に、社会保障の「手厚さ」が「甘さ」「ぬるさ」のように感じられて、批判したくなってしまう人々も多いだろう。 格差と貧困のないデンマーク―世界一幸福な国の人づくり (PHP新書) 作者: 千葉忠夫出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2011/02/01メディア: 単行本購入: 21人 クリック: 616回この商品を含むブログ (5件) を見る この本はデンマークの「福祉」に焦点を当てたものではない。著者は日本とデンマークの架け橋になろうと長年にわたって尽力されてきた方である。彼によれば、デンマーク型の福祉制度を単純に輸入しようとしてもうまくいかない。しかし、その理由は前述したような論点
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