【ニューヨーク=加藤美喜】国連の汚職や不正行為を監視する国連内部監査部(OIOS)トップのインガブリット・アレニアス事務次長(72)が先週、退任するに際し、潘基文(バンキムン)事務総長が指導力を欠き、事務局の腐敗を助長したなどと厳しく批判する報告書を提出していたことが二十日、分かった。米紙ワシントン・ポストが報じた。国連事務次長が国連トップの事務総長を公式文書で批判するのは極めて異例。 アレニアス氏はスウェーデン出身で、事務次長を五年間務め十六日に退任。十四日付で事務総長に提出した五十ページに及ぶ報告書で、「国連に透明性はなく、説明責任もない。改革の兆候は何一つ見られない」「事務局は腐敗の道を進んでいる」と指摘。「あなたの行動は遺憾であるばかりでなく、非難に値する」と非難している。 同氏が特に問題視したのは、OIOSが独立性を確保されている内部調査機関であるにもかかわらず、潘事務総長の側近