“逆風”をついて貴乃花親方(元横綱)が初当選を果たした1日の日本相撲協会理事選。貴乃花親方は新理事として理事会に出席し、朝青龍の暴行問題などについて議論の輪に加わった。若い世代の旗手として、角界に改革の新風を吹き込めるのかが注目される。 ◇ 過去3期続いた理事選の予定調和。その静穏を破って得た「9票」の底意を貴乃花親方はかみしめる。「選んでくれた9人の評議員に感謝しているし、責任の重さを感じている」。新理事として臨んだ会見では口を真一文字に。その後に囲んだ報道陣の輪の中でも、声は深沈としていた。 諸事、形式通りの手順を踏む角界で、支持派6人と一門を離脱する離れわざに。果断と暴挙は紙の裏表だった。実際、選挙戦の手応えは乏しく、「当初から7名。劣勢に変わりないと思っていた」と胸中を吐露する。 とかく票の多寡に関心が集まり、肝心の公約がうやむやになった理事選。関係者が「奇跡」とうなる当選は