【ロンドン=木村正人】ギリシャ財政危機が他のユーロ圏諸国に波及するのを避けるため、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)が10日発表した最大7500億ユーロ(約90兆円)の欧州支援策について、欧州の株式市場は好感し軒並み反発した。ただ、最大の支援国となるドイツのメルケル首相は重要な州議会選で一敗地にまみれ、連邦参議院(上院)で与党が過半数割れに追い込まれた。求心力を失った同首相がユーロ防衛を主導するのは難しくなりつつある。 メルケル首相は10日、ベルリンで記者団に「ユーロを攻撃から守るため欧州は協調行動がとれることを示せた」とEUの結束に胸を張った。しかし、その代償は大きかった。9日投開票が行われたドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州議会選で、同首相率いるキリスト教民主同盟は「第二次大戦後最悪」といわれる大敗を喫したのだ。 選挙管理委員会の集計によると、同盟の議席は67(前回比2