◆生前契約で家族の役割を代行するNPO ◇保証・後見人、葬儀手配… 新たな「きずな」を 「保証人が必要なんだ」。3年ほど前、県西部の有料老人ホームに入居の相談をしていた女性(89)は驚いた。 子どもはいなかった。約10年前に夫と死別してからは、マンションで1人暮らし。寄る年波には勝てず、足腰が次第に弱くなり、ホーム入居の検討を始めた直後だった。 現役時代は夫と共働きだった。同世代でも、年金支給額を含め経済的には恵まれている方だと考えていただけに、思わぬハードルに困惑した。70代の弟とは、特に不仲なわけではないが、子どもや孫たちと「別の家庭」を築いている。気安く頼るのは気が引けた。 気を利かせた施設職員が、保証人を請け負ってくれるというNPO法人を紹介してくれた。聞けば、万一病院へ入院する際の保証人や、認知症などで判断能力がなくなった場合の後見人、さらには死後の葬儀の手配まで面倒をみてくれる
身近な人が亡くなってから、遺族が葬儀の段取りなどを決めるまでの間、遺体を預かる“死者のビジネスホテル”が今月、東京・新木場に登場した。 この施設は、「りすセンター・新木場」。生前契約に基づき、17年にわたって葬儀や遺産処理の代行を請け負ってきたNPO法人「りすシステム」(東京)が設置した。鉄骨3階建て、延べ床面積550平方メートルの建物。業者に葬儀を依頼するまでの間、冷蔵安置室で37体まで預かる。 遺体は取り違いが起きないようバーコード管理する。また感染症予防のため、殺菌灯を取り付けるなど、衛生管理に細心の注意を払っている。 一方、遺族には葬儀についてじっくり話し合えるように和室を用意。遺族から要望があれば、スタッフが葬儀業者の比較や葬儀の進め方などをアドバイスする。遺体の安置は1泊7350円。以後、12時間ごとに3675円。葬儀もできる部屋の貸し出しは1時間2100円から。
孤立死 ひとごとじゃない2010年4月2日14時29分 印刷 ソーシャルブックマーク 吉田太一さん。人形などの遺品を供養する 松島如戒さん だれにもみとられず、何日も気づかれずにいる孤立死。家族、地域のつながりが薄れた「最期」が増えている。 吉田太一(よしだ・たいち)(45)が、初めて、孤立死とわかる現場に入ったのは8年前の夏だった。 死後1週間たって発見された60歳代の男性。部屋の整理を遺族から頼まれ、大阪の古い木造アパートに向かった。 部屋のドアをあけ、思わず後ずさりかけた。小さな台所と6畳の部屋に、カップめんの空容器が散らばる。死臭に、こぼれたしょうゆのにおいが混じる。一緒にきていた遺族に、吉田は努めて冷静に言った。「大丈夫。何とかしますから」 遺族に代わって部屋の清掃や遺品整理をする会社を、始める準備をしていた。大阪の下町育ち。28歳のときに軽トラックを買い、引っ越し業を始めた。骨
東北地方で森を守り育てている団体や個人に遺産を寄付してほしい――そんな遺言を残して亡くなった女性の依頼を受け、東京都内のNPO法人が、約9300万円の遺産を活用してくれる団体・個人を公募している。 「地震で被災した森林の再生に活用したい」といった、意欲的な要望に応じるという。 このNPO法人は、故人と生前に交わした契約に基づき、葬儀や遺産処理の代行などを請け負っている「りすシステム」。これまで15年の活動実績がある。 遺言を残したのは、都内に在住していた女性で、昨年8月に70歳で亡くなった。青森・八甲田山の高山植物の美しさを知人へのあいさつ状に書くなど、植物や自然に関心が高かったという。 「りすシステム」には、2004年7月に入会。「預貯金など全財産から、葬儀などの事務費用を除いた金額を、りすシステムに寄付する」とした上で、「この財産を東北地方の森林の保護育成のために尽力している団体もしく
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く