3月11日に東日本を大地震、大津波、原発事故の複合災害が襲った。原発事故は現在進行中であり、一日も早い収束を世界の人々が固唾をのんで見守っている。 原子力は太陽光や風力、バイオマスなどの次世代エネルギーが大規模普及するまでの「つなぎ」である。おそらく今世紀の半ばごろまでは原子力が必要だろう。だからこそ、遠からず事故のすべてが明らかにされなければならない。インターネット時代、あらゆることはあらわになる、と人々は知っているのである。 しかし危機に怖気(おじけ)付いて思考停止している暇はない。ピンチから新しい時代を生み出すことを考えなければならない。私の提案は、震災地域に「プラチナ社会」を実現しようというものである。 20世紀において、先進国の多くは衣食住という人間の基本的欲求に関して量的充足を得た。例えば日本では、家の戸数が世帯数を上回り、衣や食も、ぜいたくさえ言わなければ不足はない。これは先