本日は、安倍前首相が17日夜に埼玉県戸田市で行った講演について紹介します。この講演は、拉致被害者5人を北朝鮮に戻すべきだったとする自民党の加藤紘一元幹事長の意見について、「北朝鮮の主張そのもの」と切り捨てた点が注目されていますね。安倍氏と国民の反応を甘く見て、北朝鮮問題を論じる前に3年間は地元に引っ込んでいろ、と啖呵を切った加藤氏は今、「倍返し」をくらっているような印象です。 この中で安倍氏が強調した「日本政府は北朝鮮との間で、5人を戻すという約束はしていない」という点は、偶然ですが、私も17日夜に某政府関係者らとの会合で話題にしていたことでもありました。講演では、安倍氏自身が当時の北朝鮮との交渉担当者、田中均氏に問いただしたエピソードが出てきますが、別の政府高官も当時、田中氏にこの点を確かめ、「約束はしていないが、5人を戻さないと日本の立場が悪くなる」といった趣旨の回答を得ていたと聞いて