人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。 書評でも紹介したことのある評論家 米沢慧氏に先日病院主催の講演会として「いのちのステージ、往きの医療と還りの医療」という題で御講演をいただきました。我々の病院スタッフが主な聴衆でしたが、想像通りの素晴らしい内容の講演でした。 現在我々が急性期病院で行なっている医療は、「効率良くできるだけ沢山の患者の病気を治す」ことに主眼がおかれています。病気が治らない、或いは癌などが進行して死期が近いというのは「医学的には敗北」と見做され、それでも緩和医療や看取りの医療が診療報酬的にも見直されてきているものの、治癒を目的とした医療を行なわないと赤字になるよう設定されているのが現実です。この「治癒を目指す医療」は人生上り坂における人材を想定した「往きの医療」と言うことができます。しかし米沢氏