■「復興」達成、無関心に ここのところ「科学の敵」について考えてばかりいる。少し古くなるが、文部科学省の科学技術政策研究所が平成15年に行った「我が国の科学雑誌に関する調査」によれば、アメリカと比べて日本の科学誌の発行部数はおよそ10分の1にすぎない(これは人口比を考慮した数字である)。 個別の誌名はここでは挙げないが、とにかく、日本では科学誌が売れないのである。特に20代と30代の科学への無関心が顕著で、この傾向は、サイエンスライターである私も長年、ひしひしと感じてきた問題だ。 私が科学を勉強し、サイエンスライターになる決意を固めた時期は、ある意味、日本でも科学が輝いていた時代だったのだが、われわれの次の世代は、科学に全く魅力を感じなくなってしまったように見える。 科学誌が売れないということは、そこに寄稿して生計をたてるサイエンスライターも食い扶持(ぶち)が確保できないということであり、