■ひきこもりの変質? 98年に斎藤環氏が『社会的ひきこもり』(PHP新書)を出版して以来、心理学・精神医学・社会学・教育学・哲学と、さまざまな分野で論じられてきた「ひきこもり」が、日本が格差社会に変化したことを受け、新しい段階に入ったと、僕は直感している。 今回より当「ヤフーニュース・個人」を執筆させていただいている僕は、大阪において、もう15年以上、ひきこもり・不登校・ニートの子どもや若者を支援し続けてきた。 不登校数は一向に減少せず、ニートという新しい概念もイギリスから日本に導入されて10年。 そうしたなかで、ひきこもりも、上述のように変化してきたと僕は感じている。 ■3つの背景 斎藤氏の本からしばらくたった00年代なかば、「発達障がい」の考え方が青少年支援分野に持ち込まれた。 発達障がいをここでは詳述しないが、広汎性発達障がい(ここにアスペルガー症候群も入る)・ADHD・学習障がい・