日中間の尖閣問題に続き、足許では北朝鮮が韓国の領土を砲撃するなど、東アジアの緊張感がかつてないほど高まっている。従来とは異なるフェーズに入った周辺地域の脅威に対して、日本は新たな外交・安全保障の枠組み作りを迫られている。自民党政権で、長らく北米やアジア・太平洋地域との外交に携わり、「外務省きっての政策通」として知られた田中 均・日本総研国際戦略研究所理事長は、「座標軸」が定まらない政府に警鐘を鳴らす。田中理事長が説く次世代の外交・安全保障体制のあり方とは?(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 原英次郎・小尾拓也、撮影/宇佐見利明) 国の存続を懸けた戦いに 打って出る北朝鮮への対応策 ――日中間で発生した尖閣諸島問題以降、日本を取り巻く東アジア地域でかつてないほど緊張感が高まっている。足もとでは、新たな濃縮ウラン施設を稼動させていることが発覚した北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が、韓国領土への
日本は小さくなった 世界経済における日本の存在感が、急速に希薄化している。世界経済に対するGDPのシェアを見ると、日中両国のポジションが、この5年ほどでドラスティックに変化したことが分かる。今から約15年前の1994年時点では、世界経済に占める日本のGDPシェアは約18%もあった。当時は世界経済のメインプレイヤーと言えば、何の疑いもなく米国・西欧・日本の3地域を指していた。そしてこの1994年時点では、中国のGDPシェアはわずか2%にすぎなかった。 しかしその後、日本のGDPシェアは減少に向かい、2004年には約11%となる。ただしこの時点でも中国のシェアは、5%未満にとどまっており、日本とは倍以上の格差があった。そして2009年には、日本のシェアがさらに減少し8%台となるいっぽう、中国のシェアは急増し日本と肩を並べた。 世界経済における日本の地位低下は、今後も続くと見込まれる。内閣府の予
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