私が、『怒りの正体』という本で、「老人や障害者のように役に立っていない人間はどうなるのか」という表現をしたことと、勝ち組負け組という表現をすることを精神医学的な見地から見てふさわしくないというメッセージをいただいた。 どういうわけか、『怒りの正体』の本が我が家に一冊もなくなっていて、どういう文脈で書いたのかがはっきりしない。 障害者が役に立っているかいないかというのは、程度の問題もあるし、哲学の問題もあるだろう。 程度の軽い障害者であったり、あるいはホーキンス博士のように障害があってもほかの能力が優れているから役だっているという考えもあるだろう。 ただ、この考えでは、役に立つ障害者は価値があるが、そうでない障害者は価値がないということになって、逆に障害者差別を増悪させる考え方になりかねない。 哲学の問題もある。あるいは経済学の問題もある。 障害者がいるから、その施設に働く雇用が生まれるとい