高齢者が人生を振り返り、他人に話したり書いたりする行動が、自身の肯定につながり、介護スタッフとの関係も円滑にするとして、島根大医学部看護学科と同大大学院総合理工学研究科が連携して研究に乗り出す。高齢者から話を引き出すノウハウを介護現場で普及させるため、2年後をめどに、タブレット端末を使ったソフト開発を進める。 高齢者看護学が専門の同大医学部看護学科の原祥子教授は「ライフストーリー」と名付け2000年から、高齢者の“語り”の効果を研究。冊子にまとめたり、福祉施設の職員が利用者から聞き取ったりする中で、約1時間にわたる会話の録音を重ね、変化をみた。 その結果、言葉数が多くなったり、イライラが解消されたりするケースを確認。高齢者が自身の人生の豊かさに気づいたり、自尊心が芽生えたりすることが影響しているとみられ、職員と利用者の関係が円滑になるといった効果も確認された。 同大大学院総合理工学研