やまかわ しずお 1933年、静岡県生まれ。國學院大學文学部を卒業後、NHKにアナウンサーとして入局。『NHK紅白歌合戦』の司会(通算14回)や邦楽番組を永らく担当。主な著書に『歌右衛門の疎開』(岩波現代文庫)、『名手名言』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞、文春文庫)。『大向うの人々』(小社刊)で2010年講談社エッセイ賞受賞。[PHOTO]タネイチ(以下同) 講談社エッセイ賞を受賞した作品『大向うの人々』は、学生時代に出会った歌舞伎を通じて得た友人たちの話で溢れている。その人たちとの縁が、山川さんの人生に彩りを与えている。 「僕の人生は、歌舞伎を観たことで劇的に変わったんです」 という山川静夫さん。NHKの看板アナウンサーとしてお茶の間に親しまれ、退職後は学生時代から愛してやまない歌舞伎を中心に、芸能愛好家、エッセイストとして活躍している。 「歌舞伎のおかげでNHKに就職できたと思ってい