国の豊かさとは、いったい何だろう? 従来、国の経済規模を比較する指標には、生産された商品やサービスの付加価値の総計を表す「GNP(国民総生産)」や「GDP(国内総生産)」が広く使われてきた。しかし、気候変動や環境破壊が進み、持続可能な社会づくりが急務となっている現代において、「どれだけモノを作ったか?」という基準だけで国の豊かさを測るのは、やや一面的かもしれない。 そこで、新たな国際指標の概念「GNT(国民総ゴミ量)」が提唱されはじめた。この指標が示すものについて考えてみよう。 「GNT」は「Gross National Trash」の略称で、国全体で排出された廃棄物量を意味する。1992年「U.S. Environmental Protection Agency(アメリカ環境保護庁・EPA)」が、米テネシー大学の「Center for Industrial Services」の会議で初め
