→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 「日本は、とんでもない世界に踏み込んでしまった!」というのが、最初の読後感だった。その「とんでもない」ことに日本が気づかなかったことが、イスラーム教徒にたいする政策の失敗であったということができるだろう。日本軍が「満洲国、蒙疆政権に次ぐ親日的なイスラーム国家をつくることを目標にして」、工作活動をおこなっていた「満洲、内モンゴルから寧夏、甘粛といった西北地方」は、ソ連や中国が手を焼いていた地域である。事実、「一九三六-一九三七年当時の中国におけるイスラーム教徒は、主として中国の西北四省に集中して居住しており、これらの省は、いずれも中央政府の命令が及ばない、半独立の体制のもとにあった」。「すなわち、新疆にあっては盛世才がソ連の協力関係をも
![大阪市立大学大学院・早瀬晋三の書評ブログ : 『日中戦争とイスラーム-満蒙・アジア地域における統治・懐柔政策』坂本勉編著(慶應義塾大学出版会)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/3e994120caef313bdaa82782ab195b12b8476496/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FK%2FKinokuniya%2F20180502%2F20180502185523.jpg)