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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (20)

  • 無限ループのデフレ日本 - 経済を良くするって、どうすれば

    先週金曜日に発動された日銀の「三次元緩和」だったが、円・株ともに元の水準へと戻り、「三日限緩和」に終わった。この水準で固定化する働きを見せるかは、これから、マーケットが教えてくれる。他方、10-12月期GDPのマイナス成長が確実視される中で、企業収益にも陰りが出てきた。これは税収にも響いて、緊縮欲を刺激しよう。金融緩和による回復、緊縮財政での失速、そして、更なる金融緩和の催促という、無限ループに終わりは見えない。 ……… 昨日の日経は、「上場企業が増益を確保 今期は内需が下支え」と伝えていて、前向きな感じを出しているが、3か月前は「上場企業16年3月期は8%増益」(11/7)だったから、今回の「3%弱の増益」とは開きがある。原因は、「10~12月の3か月でみると経常利益は前年同期比で5%減」となったためである。内需企業が牽引しているとは言え、マイナス成長になっていなければ、恩恵はもっと大き

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  • 癒しがたき緊縮策という病 - 経済を良くするって、どうすれば

    マーク・ブライスの『緊縮策という病』で最も重い指摘は、「事実を積み重ねても、都合の良いイデオロギーは決して反駁されない」かもしれない。1.7%,1.4%と成長をしていた日経済は、消費増税後、ゼロ成長状態に陥った。それでも、再増税を見直そうという機運は薄い。1997年に日経済をデフレに突き落としたのも消費増税だが、失敗を繰り返そうとも、渇望に揺らぎはない。 ……… 消費増税に限らず、経済政策では、同じ失敗が何度も試みられることは珍しくない。設備投資を促すはずの法人減税も、1997年の消費増税後に採られたが、目立つ効果はなく、今回も、消費増税の影響を打ち消すべく敢行されたが、あえなく失敗した。それにもかかわらず、更なる法人減税がなされる。 異次元の金融緩和については、円安による企業収益の増大、株高による資産効果、インバウンドの拡大といった一定の効果をもたらしたが、消費増税のデフレ圧力を押し

    癒しがたき緊縮策という病 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 子供の貧困対策は未来への投資 - 経済を良くするって、どうすれば

    「子どもの貧困」が言われたと思ったら、今度は「下流老人」が話題である。日経済は、1997年以来、名目GDPを増やせていないのだから、そこかしこで貧困が炸裂するのも当然だ。特に、若者や女性を直撃したから、打ち続く少子化で人口崩壊も避けられない事態に至っている。企業は日をあきらめ、海外に活路を見出すまでになった。 こうなった原因は、あまりに稚拙な経済運営にある。1997年の消費増税などの大規模な緊縮財政でデフレに転落させて以来、景気が回復しかけると、緊縮財政で芽を摘むことを繰り返してきた。アベノミクスの円安株高で勢いに乗った2013年、消費増税でマイナス成長に暗転した2014年、停滞の続く2015年は、「いつものパターン」である。 成長の範囲内で再建を進める「穏健な財政」に変えるだけで、日経済は着実に成長する。緩やかでも成長するようになれば、企業も国内に目を向け、設備にも人材にも投資する

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  • 中長期の経済財政試算の正しい読み方 - 経済を良くするって、どうすれば

    普通、「中期」と言えば5年を指し、「長期」なら10年を意味する。ところが、2/12に公表された『中長期の経済財政に関する試算』は、8年後の2023年度で途切れている。形式主義のお役所が半端なことをするには、何かウラがあると疑わなくてはならない。実は、試算を2025年度まで2年分延長すると、基礎的財政収支の赤字をゼロにする目標を、自然体で達成できることがあからさまになってしまうのだ。どうも、このことを隠したかったようである。 ……… 政府試算を、トレンドに従い、2年分延長すると、下図の黄線のようになる。人間とは不思議なもので、こう描くと、2020年度にゼロを達成できないことより、2025年度に目標に到達していることの方へ、目が向いてしまう。ここから得られる認識は、「13%への消費増税が必要だ」であったものが、「自然体でも構わないんだ」へ180度変わることになる。 いずれ、税収の上ブレで、こう

    中長期の経済財政試算の正しい読み方 - 経済を良くするって、どうすれば
    Uzi_FZ
    Uzi_FZ 2015/02/14
    「お役所が半端なことをするには、何かウラがあると疑わなくてはならない。」「試算を2025年度まで2年分延長すると、基礎的財政収支の赤字をゼロにする目標を、自然体で達成できることがあからさまになってしまう」
  • 『日本の年金』を思想で読む - 経済を良くするって、どうすれば

    の年金制度の最大の課題は、将来、低年金で苦しむことになるであろう、厚生年金の適用対象外の非正規労働者を、どうするかである。少子化は、何とかしなければと言われ続けながら、財政再建を優先した結果、手遅れとなってしまった。また再び、深刻な事態が目前に迫るまで、非正規の低年金が後回しにされてはなるまい。 こうした折、駒村康平先生が岩波新書で『日の年金』を出された。先生も、同様の認識であろうと推察する。書は、特に若い人たちに読んでもらいたいと思う。一知半解の「世代間格差」で惑わせ、焚き付けようとするようなもある中で、制度を概観し、経緯に触れ、カギとなる数字も織り交ぜつつ、真に取り組まねばならない課題を丁寧に説明している。 ……… 年金は経済のサブシステムであるから、経済状況に合わせて改善していく必要がある。1997年の消費増税の衝撃によって、日はデフレ経済に転落し、苦しくなった企業は、社

    『日本の年金』を思想で読む - 経済を良くするって、どうすれば
  • 家計調査の基調の悪さ - 経済を良くするって、どうすれば

    昨日、公表された10月の家計調査の基調の悪さには愕然とした。季節調整済実質指数の「除く住居等」は、-3.0の97.5まで落ちていた。これは昨年秋の最悪期を下回るレベルである。既に公表されていた10月の消費者態度指数の急激な低下に沿った結果となった。これで4ヵ月後には消費増税が来ると思うと、気分が暗くなる。世間は、株価の年初来最高値に沸いているだけに、孤独を感じるよ。 7-9月期の家計消費の低迷は、円安の浸透による物価上昇で名目実収入の伸びが削り取られていることにあったが、この傾向が続いていると考えられる。確かに、所得と雇用は少しずつ良くなってはいるが、その分だけ、円安を転嫁する値上げが可能になっているのだろう。11月の東京都区部のCPIからすると、こうした状況は、まだ続くと思われる。 今回の家計調査の特徴は、自動車と住居の消費は伸びていて、それらを含む実質指数では、前月比横バイを維持できた

    家計調査の基調の悪さ - 経済を良くするって、どうすれば
    Uzi_FZ
    Uzi_FZ 2013/11/30
    「基調の悪さを、消費増税の駆け込み需要が補っている形」「むろん、駆け込み需要は、消費増税後には反動減となるもので、頼りにはならない。」
  • 金融緩和と摘芽型財政の帰結 - 経済を良くするって、どうすれば

    欧州や米国は「日化」するのかと、問われれば、イエスだ。また、サマーズが「高所得国の経済は、需要の慢性的な低迷と遅い経済成長の体質にあり、バブルがなければ成長しない」と懸念しているが、こちらもイエスだ。なぜなら、そうなるような経済運営をしているからであり、それは日が過去にしてきたことである。 ……… 欧米のディスインフレの原因は何かとを考えると難しいが、「強力な金融緩和をしておきながら、成長を低迷させ続ける方法として何があるか」に角度を変えるなら、答えは容易に見つかる。金融緩和に緊縮財政を組み合わせれば、そうなるのは明白だからだ。欧米ともに、それを試みているのだから、結果は当然のように思える。 むろん、こうした経済運営は、「緊縮財政は景気に良い」というドグマに支配されているためである。「設備投資は低金利で伸びる、緊縮財政は金利を下げる、よって、緊縮財政は設備投資を伸ばす」という三段論法が

    金融緩和と摘芽型財政の帰結 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 消費増税をするとどうなるか - 経済を良くするって、どうすれば

    世の中の消費増税の悪影響に対する認識は甘いのではないかと思う。かく言う筆者も1997年までは、そうだった。今日は、消費増税後に何が起こったのか、思い出話とともに、数字をたどってみたい。若干、「オタク」向けかもしれないが、1997年の消費増税の経験は、その是非だけで済ますには、もったいないものである。 ……… 結論から先に言うと、駆け込みと反動減を潜ると、消費増税の悪影響は、それで抜けたような気になるのだが、実は、そこからが悪影響の番である。増税による実質的な所得削減の効果が長く消費を低迷させる。これは、増税→消費減→生産減→所得減→消費減という、経済全体への波及が起こるからである。 ここで、余裕のある方は、ニッセイ研の斎藤太郎さんの「2013~2015年度経済見通し」(8/13)の中にある「消費税率1%引き上げの影響」というマクロモデルの分析も見ていただきたい。注目してほしいのは、増税2

    消費増税をするとどうなるか - 経済を良くするって、どうすれば
    Uzi_FZ
    Uzi_FZ 2013/09/01
    「増税による実質的な所得削減の効果が長く消費を低迷させる。これは、増税→消費減→生産減→所得減→消費減という、経済全体への波及が起こるからである。 」
  • 消費増税への強いこだわり - 経済を良くするって、どうすれば

    官僚が既得権益の拡大を狙っているのでは? (なべを) 2013-08-26 01:19:26 初めて投稿させていただきます。こちらのブログは、いつも興味深く拝読しております。 私の考えを述べると、官僚が愚民感を捨て去ることなど無いと思います。 むしろ、為政者(官僚)は自らの既得権益を守るため、国民に対して、あえて愚民化政策をとってはいないでしょうか? 消費税による増税で、景気が冷え込んでしまう事を、もちろん、財務省の官僚達は折り込み済みでしょう。 それでも、財務省官僚が増税を強行したい理由は、景気の動向などよりも、予算を増やし、自分達の既得権益の拡大が最重要課題と考えているからだと思います。 増税して、その後、景気動向が悪ければ、公共事業などのバラマキ(再分配)で調整する… 一見意味の無い事のようですが、この事は、官僚の既得権益拡充に充分役に立つと思います。 なぜなら、彼らの既得権益とは予

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  • 消費増税の論争についての雑感 - 経済を良くするって、どうすれば

    市井の人に、「前に消費増税をしたときは、酷い不況になりましたから、慎重にせんといかんですよ」と言うと素直に納得してくれる。これが、なまじ経済を知っている人だったりすると、「消費増税でなく、アジア通貨危機と大型金融破綻が原因だった」と返されたりして、面倒な話になる。筆者も年なので、「財政再建も大事ですな」などと言って、やり過ごすが、こうなるのは、なぜだろうと思ったりする。 前にも書いたが、三つの薬を一度に飲んで、死ぬような副作用に会った後、そのうちの一つは絶対に安全だからと言って、平然と飲み続けたりはしない。病気で薬を飲まざるを得ないにしても、量を減らしたり、体力の回復を待ったりする。それが世間の生きる知恵というものだ。前回の用量の1.5倍を飲ませようとする日の財政当局は、やはり、世事には疎いようである。 ……… 消費増税の判断は、ある意味、常識人の方が正しくできるように思う。財政破綻を心

    消費増税の論争についての雑感 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 消費増税の検証が導く答 - 経済を良くするって、どうすれば

    「消費増税 複数案を検証、上げ幅見極め 首相が指示」か。ようやく、ここまで来たという感じだ。消費増税に際し、経済的インパクトを検証するのは、ごく当然のこと。それをしなかったのは、すれば、無謀な試みであることがあからさまになるからだ。これで、勝負はついたように思う。ただし、3%を2%にしても、まだ悪影響は大きい。1%にできるかどうかが焦点となろう。 ……… 日経にもあるように、民間調査機関の成長率予測は、いずれもゼロ%台である。もし、米国や中国の経済に変調が起これば、簡単にマイナス成長に転落する。仮に、1997年の景気失速が消費増税のせいでなかったとしても、当時のアジア通貨危機に類することが今度は絶対に起こらないとは、誰も言えまい。一つ間違えば窮地に陥るような政策は議論に値しない。そのくらいの理屈は、日の財政当局以外には、常識で通じるだろう。 日経は「増税修正にリスク」と言うが、消費税をや

    消費増税の検証が導く答 - 経済を良くするって、どうすれば
    Uzi_FZ
    Uzi_FZ 2013/07/27
    「我々は消費税の奴隷ではない」という記事の締めは、まさにそのとおりですね。
  • サプライズの家計調査 - 経済を良くするって、どうすれば

    いや驚いたね。2月の家計調査の結果である。季節調整済の実質指数が+2.2も伸びて102.5に達した。これはリーマン・ショック前の2008年前半のレベルを軽く上回る高さだ。1月の高い伸びから、反動減を予想していた筆者は、またも大外れである。これで宗旨替えをしたりすると、しっかり反動減が来て、二重に裏切られたりする。さて、どうしたものか。 ……… 経済というのは、設備投資増、雇用増、所得増、消費増と進む。まだ、設備投資が底を打つか打たないかという状況で、消費が先行して増えるのは不自然だ。したがって、2月連続の急伸という家計調査の結果は、偶然なのかもしれない。ただ、2月の商業統計の結果も好調だったことからすると、家計調査だけの単なるブレではなさそうである。 これが偶然だとしても、1-3月期の成長率に与える影響は大きい。3月の家計調査の結果が12月並みの低い水準に逆戻りすると仮定しても、GDPの6

    サプライズの家計調査 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 物価上昇へのプロセス - 経済を良くするって、どうすれば

    あまり物事を簡単に考えない方が良い。金融緩和をすれば、景気が上向き、物価が上昇する。大きな流れは、それで良いが、実現には、いくつものプロセスを経る必要がある。これを理解していないと、上手く行かなかったときに、余計に失望することになる。効かない魔法の杖は、あっさり捨てられかねない。 ……… 通常、金融緩和は、輸出と住宅投資に効く。金融緩和が円安を呼んで、輸出を増やし、それが設備投資を促し、雇用増、所得増、消費増、物価上昇というプロセスをたどる。迂遠な話であり、どこかで引っかかり、上手く行かなくなることも多い。そもそも、円安になるかどうかも相対的な問題で、米国の景気が減速し、実質金利が低下する観測が出たりすると、入り口でつまずくことになる。 円安が実現しても、輸出増や設備投資増は楽観できない。円高を経て、国内への投資には慎重になっているからだ。昨日の日経にあったトヨタの動きにあるように、実際に

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  • 経済運営・それぞれの死角 - 経済を良くするって、どうすれば

    金融緩和は不況に効く。「だったら、いくらでもやれば良い」と言うのは、経済実態の経験の乏しい者が言うセリフである。需要管理と併せてしないと、ほとんど効果が出なかったり、弊害が起こったりする。この40年の日経済の歩みは、その失敗を繰り返してきたようなところがある。 最近の失敗は、小泉・安倍政権下での円安バブルとその崩壊である。日銀の大規模な金融緩和と世界経済の好調さが組み合わされ、円キャリートレードが発生し、大きく円安に振れた。これで輸出が増加し、景気は上向いたが、緊縮財政と組み合わされて、内需が広がらず、デフレ脱出はならなかった。 構造改革派の人たちは、「成功」としたがるが、筆者には、無死満塁の絶好機に、押し出しで1点取っただけのように見える。成長の加速には、税の自然増収を経済に還元するような思い切りの良さが必要だが、池田勇人や下村治のような強気の人はいなかったということだ。もし、そんな人

    経済運営・それぞれの死角 - 経済を良くするって、どうすれば
    Uzi_FZ
    Uzi_FZ 2012/12/04
    「金融緩和は不況に効く。『だったら、いくらでもやれば良い』と言うのは、経済実態の経験の乏しい者が言うセリフ」。/「金融緩和と緊縮財政を組み合わせれば、バブルの発生と内需の不振が同時に起こり得る。」
  • 来年の社会保障はデフレ要因 - 経済を良くするって、どうすれば

    需要管理は経済運営の基であり、財政と社会保障の動向を見極めるのは当たり前ことになっている。ただし、日以外での話だ。日は、需要不足によって生じるデフレに苦しんでいるのに、社会保障を見ないどころか、財政も当初予算しか気にせず、補正予算は度外視するという奇妙な国である。 来年は、3年に一度の年金支給開始年齢を引き上げる年だから、これだけで1.3兆円のデフレ要因になる。そんな年に、特例年金水準のカットで5400億円のデフレ要因を作り、そのわずか半年後の2014年4月には、更なる5400億円の年金カットと、消費増税3%アップを行う。普通の感覚では常軌を逸しているのだが、無知とは、どんなことも可能にするようだ。 日の財政当局は、「いかに国民に負担を課しても消費には一切影響しない」という、都合の良い理論に凝り固まっているので、需要管理などは視野にない。また、日の新聞や有識者は、当局が説明してく

    来年の社会保障はデフレ要因 - 経済を良くするって、どうすれば
    Uzi_FZ
    Uzi_FZ 2012/12/01
    「どうか、本質を見失わないでほしい。歪みに苦しむ人たちを助けようとすることが、長期的な経済合理性の実現を通じて、結局は、経済を良くするってことを。」
  • 日本経済・もう一つの成長モデル - 経済を良くするって、どうすれば

    今日の日経では、8月の鉱工業生産が1.3%低下したことを受けて、7-9月期がマイナスになるという観測も出ている。しかし、同時に公表された家計調査は、前年同月比で実質1.8%増という事前の予想を超える伸びとなった。多くのエコノミストは、中国リスクを挙げ、先行きには悲観的だが、果たして、それは正しいだろうか。 多くのエコノミストは、今日の日経が書くように、「日は製造業の生産動向が景気の動きと一致する」というモデルを持っている。製造業は輸出に左右されるから、中国を気にして悲観的になり、回復は中国次第と考えがちになる。日の輸出のGDP比は約15%で、対中国はその2割なのだから、気にし過ぎの感はあるが、影響があることに違いはない。 実は、日経済が輸出次第になったのは、そんなに古いことではなく、1997年のハシモトデフレ以来の特徴である。非常に単純な構図なので、以来、筆者は景気を読み間違ったこと

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  • 壮大なる愚行 - 経済を良くするって、どうすれば

    【未定稿】 はじめに 皆さんは、財政赤字を心配にするし、省庁の縦割りも批判しますよね。それで、国、地方、社会保障の三つを連結した政府部門の財政収支って見たことがありますか。これはSNAと呼ばれるGDPの統計表で集計されているもので、見ようと思えば、簡単に見られます。自分の手で、全体を眺めてみようとは思いませんかね。 困ったことに、日の財政当局は、政府部門の全体を見回した経済運営をしていません。整合性がない運営のために、日経済は大変な苦難に見舞われています。彼らは、自分の領分である国の財政にしか関心がないため、それを問題とすら思っていません。来は、そうならないように調整するのが政治家の役割かも知れませんが、そうした能力を持った人は、今では枯渇しています。 こうなってしまった責任の一端は、皆さんが全体について関心を持たず、各省がバラバラに出してくる情報に流されるがままの現状に満足している

    壮大なる愚行 - 経済を良くするって、どうすれば
    Uzi_FZ
    Uzi_FZ 2012/08/12
    「ハシモトデフレは、経済成長の芽を摘んだだけでなく、雇用を極端に悪化させ、家計所得を減らしたことで、『財政は赤字、社会保障は黒字』という政府部門の健全だった構造まで壊してしまいました。」
  • 消費増税法の成立に思う - 経済を良くするって、どうすれば

    消費増税は既定路線であったから、法の成立も一つの区切りでしかないが、この日をあとで振り返るよすがに、記しておこうかと思う。おそらく、後世の人たちにとって、なぜ、これほど過激な増税計画に走り、穏健な増税路線を取らなかったのか、とても理解できないのではないか。 2014年度の成長率は、大方の見るところ、1.5%程度のものだろう。消費税の3%アップは、7.5兆円の増税を意味するので、成長で得られる1年間の増加分のすべてを政府が取り上げることを意味する。むろん、増税のほとんどが財政赤字の削減に充てられるので、その分だけ需要は減る。これを見て、経済への大きな悪影響を思わないようでは、エコノミストとは言えまい。 もちろん、御当局の見解は異なる。家計は、将来に安心し、所得減でも、消費を維持してくれるらしいし、成長戦略の威力によって、増税下でも、企業は投資を増やし、政府が抜く需要をカバーしてくれるらしい。

    消費増税法の成立に思う - 経済を良くするって、どうすれば
    Uzi_FZ
    Uzi_FZ 2012/08/11
    「増税は成長に悪影響を与えるため、どう両立させるかのバランスが極めて難しい。だが、そうした肝心の議論はまったくなく、増税は絶対反対とか、増税前に身を切れとかいった、政治的な反発が出ただけであった。」
  • ドイツでの消費増税の教訓 - 経済を良くするって、どうすれば

    昨日は忙しかったので、一言コメントにとどめたが、「ドイツは消費税を上げても平気だった」という日経の記事は余りに安易なので、改めて書くことにする。おそらく、これは日興さんの出した「消費増税でゼロ成長に墜落する」というレポートとバランスを取りために、財政当局の御説明ペーパーを引いたものと思われる。 このペーパーの元ネタは、昨年5/30の「社会保障改革に関する集中検討会議」の資料、「消費税増税のマクロ経済に与える影響について」という報告書である。この報告書は、お役所が御都合に合わせ、まげて書くにも程があるといったシロモノだった。そのことは、出された当時に書いたコラムの6/2「財政当局の騙しと狂信」、6/11「消費税を上げるということ」あたりを参考にしてもらいたい。 さて、ドイツの場合だが、2007年1月に3%の消費増税を行っても景気に大きな影響がなかったことにはいくつか理由がある。まず2006

    ドイツでの消費増税の教訓 - 経済を良くするって、どうすれば
  • やはり特会は良くない - 経済を良くするって、どうすれば

    2012年度は2.2%成長なのに、税収が今年度補正後のベースから0.3兆円しか伸びないとするのは、あまりに少ないと批判してきたが、日の財政当局は、単に過少見込みをするだけでなく、もう一つカラクリを仕込んでいた。税収の自然増は、とことん隠蔽したいようである。こんなことをしていると、財政運営を見誤ることになりかねない。 ……… それは、復興特会への税収の直入である。2012年度に復興特別税が始まるが、その分の0.5兆円を一般会計には計上せず、直接、復興特会に入れている。つまり、実際は、合わせて0.8兆円の増収だったのだ。特会だからといって、直入しなければならないわけではなく、筆者は、一般会計に計上してから復興特会に繰り入れるものとばかり思っていた。財政の基は、「入るを計りて」である。これでは肝心なことが分からなくなってしまう。 財政当局は、復興特会を設けたいわけではなかった。特会は、財政状

    やはり特会は良くない - 経済を良くするって、どうすれば
    Uzi_FZ
    Uzi_FZ 2011/12/27
    与野党折衝の過程で、協力と引き換えにされた2012年度からの復興特別税の特別会計への計上を、財政当局は増収の隠蔽に「活用」した、と指摘。
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