2014年12月24日水曜日 守銭奴は悪くない ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』の主人公スクルージは金儲け一筋の商人で、人の心の温かみや愛情を理解できない強欲な守銭奴として描かれている。現在主流のケインズ経済学にしたがえば、金を貯め込むばかりで使わないスクルージのような人物は、景気を冷え込ませる元凶でもある。しかし守銭奴には、道徳的にも経済学的にも、悪いところは何もない。 経済学者ウォルター・ブロック(Walter Block)は「守銭奴を擁護する」という文章(邦訳は『不道徳な経済学』所収)で、守銭奴へのいわれなき非難に以下のように反論する。 ケインズ経済学のいう「貯蓄のパラドックス」によれば、貯蓄は個人や家族には理にかなっているかもしれないが、社会全体にとっては愚かなこととされる。なぜなら経済全体で貯蓄が増えるほど、消費への支出が少なくなり、雇用も減るからだという。 しかし