[第22回] オープンエデュケーションと21世紀の教育革命 飯吉透 Toru Iiyoshi マサチューセッツ工科大学シニア・ストラテジスト 2001年は、同時多発テロが起きた年として世界中の人々の記憶に刻まれている。だが、この歴史的悲劇が起きる5カ月ほど前、21世紀の教育に希望と革新をもたらす「オープンエデュケーション」が本格的に始まったことは、日本ではあまり知られていない。 MIT前学長のチャールズ・ベスト氏 photo : Donna Coveney この年の4月、マサチューセッツ工科大(MIT)の当時の学長、チャールズ・ベストが特別記者会見を開き、次のように発表した。 「我が校の約2000の講義で使われている教材のすべてを、ウェブサイト上で無料公開する」 こうした取り組みを「オープンコースウエア」という。ニューヨーク・タイムズ紙が1面で報じたことを見ても、その衝撃の大きさがわかる。