『インスタグラムと現代視覚文化』(レフ・マノヴィッチ/ビー・エヌ・エヌ新社) スマートフォンの端末から画像や動画を共有するアプリ、インスタグラム。そのユーザー数は、昨年についに10億人を超えたそうだ。美味しい食べ物や珍しい景色など、日常の一コマを共有するインスタグラムは、私たちの日常に入り込み、今や多くの人にとってなくてはならないものとなっている。いったい、毎日、世界中でどれほどの写真や動画がアップされているのだろう。 だが、これほどまでにインスタグラムが主流となっても、インスタグラムにアップされた写真を芸術的価値があるものとして語る人はほとんどいない。それらの写真が美術館に展示されることもなければ、写真論として論じられることもほとんどない。 『インスタグラムと現代視覚文化』(ビー・エヌ・エヌ新社)は、メディア理論家であるレフ・マノヴィッチが、インスタグラムにアップされた1500万枚もの写