『見下すことからはじめよう』(山田玲司/ベストセラーズ) かつて、タレントの伊集院光氏がラジオで生み出した言葉「中二病」。本来は、思春期特有の背伸びした行動や中学二年生じみた妄想に対して「自分は中二病だ!」という自虐に用いられるが、近年は他人の中二的な発言や行動を揶揄して使うことが増えている。このように、マイナスイメージがある“中二病”だが、サブタイトルに堂々と“「中2」でなければ生き残れない”と掲げているのが、4月末に発売された『見下すことからはじめよう』(山田玲司/ベストセラーズ)だ。 さまざまな年代で流行した漫画や音楽などのコンテンツを主軸に、いかにして現代を生き抜くかを綴った同書。直近の2010年代は、人気漫画家・ONEの作品『ワンパンマン』や『モブサイコ』を例にあげ、漫画に漂う「さとり世代の空気感」について綴っている。 「ONEの漫画は『絶対的な能力』を持った『普通の人』が主人公