作品の持つ「力」への自覚を Vチューバ―を目指して池澤春菜さんが作成した3Dキャラクター[池澤さん提供]【時事通信社】 ―不適切な表現ということについてはいかがでしょう。 私は、作家が道徳性に富んだものを常に書き続けなければならないとは思いません。その時代に正しいと思っていたものが、後で正しくなくなることもあるし、逆にその時代は間違っていたことが、後世に正しかったと評価されることもありますから。ただ、文章であれ音楽であれ、クリエイトするものには大きな力があります。その力が誰かを傷つけるかもしれない、武器になってしまうかもしれないという自覚を持たなければならないと思います。 ―その時「正しい」というだけでは、ダメなこともあるわけですね。 モノを作る人たちは常に感覚をアップデートしていく必要があると思います。「昔は大丈夫だった」ものを再生産して、結果的にアウトになるといったような、無自覚に振る