2010年度予算で、国からの交付金1億円を基金に積む予算措置を東松浦郡玄海町が忘れていた問題。九州電力玄海原発1号機稼働から36年。町には約265億円もの原発関連交付金が舞い込んだ。1億円の扱いを忘れるという前代未聞の事態に、町民からは5日、「交付金漬けで、感覚がまひしている証拠だ」と厳しい声が上がった。 問題の予算は、地域浮揚のため肝いりで進める次世代エネルギーパーク事業。敷地面積約3万3500平方メートル、建設費14億7千万円の大型プロジェクトだが、用地買収は難航。住民との交渉や土地譲渡の手続きに追われる中で、町幹部は「予算措置を忘れた」と話す。 予算措置をしていないのに気づいたのは、3月議会開会後。年度内に事業費を執行しなければ、再度手続きが必要となる。このため町幹部らは「予定通り事業を進めなければ町に迷惑がかかる」と、急きょ県に相談するなど奔走した。 町幹部は「本来は議案を差し戻し