限界露呈、かすむ野田カラー=内閣改造 限界露呈、かすむ野田カラー=内閣改造 野田佳彦首相は内閣改造で、政府や民主党の要職を歴任してきた実力者の岡田克也氏を副総理兼社会保障・税一体改革担当相に起用し、消費増税に「不退転の決意」で取り組む姿勢を改めて鮮明にした。一方で、わずか5人の閣僚交代の中、党内配慮を優先したと思える人事も目に付く。政権基盤が脆弱(ぜいじゃく)な首相の限界を露呈したとも言え、一体改革の布陣強化という「野田カラー」がかすんだ感は否めない。 岡田氏は野党時代から一貫して消費増税を唱えてきた。また、菅政権下の幹事長時代には、衆院選マニフェスト(政権公約)の主要政策見直しに関する自民、公明両党との3党協議をまとめ上げ、両党とのパイプを築いた。首相が自らその岡田氏に入閣を説得したことは、「ダブルエンジン」で一体改革を成し遂げようとの意思の表れだ。 もっとも、消費増税を公約違反と批
1月13日、野田首相は内閣改造を断行し、社会保障と税の一体改革の焦点となる消費増税に向けて背水の陣を敷いたかたちだが、野党側は、引き続き一体改革の協議入りに難色を示すなど、法案成立に向けたハードルは高い。都内で昨年9月撮影(2012年 ロイター/Issei Kato) [東京 13日 ロイター] 野田佳彦首相は13日、岡田克也前幹事長を副総理兼社会保障・税一体改革担当相に起用する内閣改造を断行、社会保障と税の一体改革の焦点となる消費増税に向けて背水の陣を敷いたかたちだ。 しかし、早期の解散・総選挙を求める自民党など野党側は、引き続き一体改革の協議入りに難色を示すなど、法案成立に向けたハードルは高い。消費増税のとん挫は、日本財政の信認低下による長期金利の上昇という代償を払わされる可能性があり、日本政治の危機管理が問われる局面に入りつつある。 参院で一川保夫防衛相と山岡賢次消費者相への問責が決
所信表明演説が行われる衆院本会議に臨む野田佳彦首相=国会内で2011年9月13日午後2時1分、藤井太郎撮影 ◇余計なことは言わない/派手なことをしない/突出しない 野田佳彦首相が就任直後、政権運営について(1)余計なことは言わない、やらない(2)派手なことをしない(3)突出しない--の「3原則」を側近議員らに指示していたことが分かった。与野党や官僚に気配りして「安全運転」の政権運営を進める首相は、次期通常国会に提出する12年度予算案や、悲願の税制関連法案の早期成立を念頭に、与野党協議の成功を最優先。来年3月までの半年間は、波風を立てず融和に努める構えのようだ。 首相は就任直後、首相官邸で官房副長官や首相補佐官らを集めて「3原則」を自ら説明。「これを徹底してほしい」と指示した。11年度予算や特例公債法をめぐり、与野党協議や党内対立に苦しんだ菅前政権の経験を踏まえ「根回しせずに政策を打ち上げ、
印刷 関連トピックス野田佳彦欧州連合(EU)TPP 野田佳彦首相は12日、経団連の米倉弘昌会長(住友化学会長)や経済同友会の長谷川閑史代表幹事(武田薬品工業社長)と首相官邸で会談した。米倉会長によると、野田首相は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加について「進めないといけない」と述べ、前向きな姿勢を示したという。 野田首相は就任前からTPPに前向きで、首相就任後は「早期に結論を得たい」としてきた。会談では、米倉会長がTPPのほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)や欧州連合(EU)との経済協定の交渉促進を求めたのに対し、首相は「米国側はTPPを非常に強調しているので、TPPも同時に進めないといけない」と語ったという。また、長谷川代表幹事が税と社会保障の一体改革などの実現を求める要望書を手渡したのに対し、首相は「よくわかっている。(13日の)所信表明演説にほとんど盛り込んでいる」と語
エネルギー政策 展望なき「脱原発」と決別を(9月7日付・読売社説) ◆再稼働で電力不足の解消急げ◆ 電力をはじめとしたエネルギーの安定供給は、豊かな国民生活の維持に不可欠である。 ところが、福島第一原子力発電所の事故に伴い定期検査で停止した原発の運転再開にメドが立たず、電力不足が長期化している。 野田首相は、電力を「経済の血液」と位置づけ、安全が確認された原発を再稼働する方針を示している。唐突に「脱原発依存」を掲げた菅前首相とは一線を画す、現実的な対応は評価できる。 首相は将来も原発を活用し続けるかどうか、考えを明らかにしていない。この際、前首相の安易な「脱原発」に決別すべきだ。 ◆節電だけでは足りない◆ 東京電力と東北電力の管内で実施してきた15%の電力制限は、今週中にすべて解除される。 企業や家庭の節電努力で夏の電力危機をひとまず乗り切ったが、先行きは綱渡りだ。 全国54基の原発で動い
野田新総理が誕生した。新政権の誕生は、政策の舵を切り替えるめったにないチャンスである。新総理は代表選で自らが選出された後「ノーサイドにしましょう」と述べた。これは、小沢、反小沢という党内の対立を止めようという意味だと考えられるが、私は、これまでの民主党の経済政策運営そのものを「ノーサイド」にし、再出発してほしいと考えている。では政策的な舵取りのどこを改めるべきなのか。日本経済が直面している政策課題を整理しながら、私の考えを述べてみたい。 求められるマニフェストからの決別 まず求められるのは、マニフェストから決別することだ。民主党が政権を担ってからの数々の失敗は、その元をたどっていくとマニフェストに行き着くことが多いからだ。マニフェストへのこだわりが招いた失敗は、大別すると次の3つになる。 第1は、無駄の削減で各種政策を実行できるという約束が果たされず、結果的に財政の大赤字を招いたことだ。
野田どじょう内閣が発足した。人事を見てさして驚きはなかった。幹事長の輿石氏の起用ですら、なるほどねと思った。多少曖昧な推測になるが、どうも小沢氏は野田氏選出を読んでいたふうがある、というか、小沢・輿石ラインで野田側との妥協線があったように見える。その符牒がそもそも「どじょう」であったようだ。読売新聞「野田さんのドジョウ、輿石さん直伝・相田作品で」(参照)より。 演説を聴いて野田氏への投票を決めた議員も少なくない。演説の核の一つとなった、自らを「ドジョウ」に例えたくだりは、書家・詩人の相田みつを氏の作品を下敷きにした。作品は、民主党の輿石東参院議員会長の紹介で知ったという。 原典は、相田氏の単行本「おかげさん」に収録されている「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」という作品だ。野田氏はこの作品を「大好きな言葉」として引用し、「ドジョウにはドジョウの持ち味がある。金魚のまねをしてもで
民主党の党首選と野田総理の組閣を見ていて思った。「なんだかんだ言っても、自民党時代より2センチくらいは進化してるよね。」と。たとえば、 党首を選ぶのに選挙してる 小泉さん以前の自民党って、派閥の長が集まって話し合いで決めてたり、陰の実力者の鶴の一声で、自民党総裁(事実上の総理大臣)を決めてたじゃん。しかも派閥の持ち回りだったり、選挙をやる場合でも派閥単位で立候補者を決めたりしてた。 それにくらべたら、今回は出たい人が5人、自分で代表戦に立候補し、演説して投票して選ばれた。このプロセスは確実に自由になったし、透明化された。もう「長老が集まって話し合って総理を決める」方式には戻らないことが明確になったよね。 大臣も派閥割り振りじゃなくなってる 小泉さん以前の自民党では、ポストは派閥が割り振っていた。「今回はうちの派閥は経産大臣と防衛大臣をもらった」というところから始まって、派閥の中で当選回数な
『週刊文春』の後藤謙次氏と宮崎哲弥さんの対談「「3人目の総理」民主政権は立ち直れるのか」を読みました。主に宮崎さんの意見に賛成なので、宮崎さんの意見を簡単に箇条書きにしてご紹介。 1.野田政権の誕生は民主党のアイデンティティの完全な剥落。霞が関の官僚総出で野田氏の支持。「代表選の“真の勝利者”は財務次官の勝栄二郎氏ですよ(笑)。政治主導を掲げる党としては本質的な矛盾を抱えているのが野田政権だと思う」。 2.後藤氏の野田政権は小渕政権と似ているという指摘への反論。小渕内閣は財政拡張主義。野田氏のは増税や財政支出削減など、財務省の意向に沿った不人気政策で、小渕政策とは真逆。「むしろ現在のデフレを深刻化させてしまう可能性が高い」「それに9月の米FOMCの決定次第では、円高局面は60円台に突入する可能性すらある。これはキツいですよ。経済運営は薄氷を履むような状況が続くでしょう」。 3.野田氏は「政
閣僚の陣容が2日午前固まり、野田佳彦新首相が率いる内閣が始動する。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故の発生からまもなく半年。復興に加え、円高対策や財政再建など課題は山積する。政権交代後、国民の信頼に応えているとは言い難い民主党。同日夕、首相として初めての記者会見に臨む野田新首相は、サプライズのない手堅い布陣で難局に挑む。 午前9時、菅直人首相が約150人の職員の拍手の中、にこやかに首相官邸を出て行ったのと入れ替わるように、午前10時前、官邸に入った野田新首相は、報道陣の問いかけにもほとんど答えず、硬い表情のままだった。 その後、再任の鹿野道彦農相や環境相も兼務する細野豪志原発事故担当相から、閣僚たちが次々と官邸入り。午前11時に会見した藤村修新官房長官は野田新首相の代表選でのどじょう演説を受けて「泥にまみれて、汗にまみれて政治を前進させていく」と語った。 厚生労働相として初入閣する小宮
野田新首相の組閣人事は、官房長官や財務相など主要ポストを野田氏に近い議員で固め、代表選で自らを支えた議員を処遇して論功行賞の側面を見せる一方、小沢一郎元代表グループからも2人を登用するなど、「挙党態勢」に配慮した布陣となっている。初入閣は10人に上り、新鮮さも演出した。 足元の野田グループからは、官房長官に就任する藤村修氏ら2人を起用。代表選の決選投票で野田氏の支持に回った前原誠司政調会長グループからも3人を登用した。財務相の安住淳、外相の玄葉光一郎、文部科学相の中川正春の3氏は代表選で野田氏の支持拡大に努めた。安住氏は49歳、玄葉氏は47歳で、政府中枢の財務相と外相を若い40歳代が占めるのは異例だ。 一方、党内最大勢力の小沢元代表のグループは、代表選で海江田万里氏を全面支援したが、「ノーサイド」を掲げる野田氏は、同グループ幹部の山岡賢次氏を国家公安委員長とし、一川保夫氏も防衛相にそれぞれ
原発なしでは、産業も暮らしも立ちゆかないという、経済産業省と電力業界挙げての強い“警告”も、どうやら杞憂(きゆう)に終わりそうな気配が強い。むしろ生活者の間には「原発なしでもいけそうだ」という自信がわいたのではないか。身の回りの電気のむだを洗い出し、電力に依存し過ぎた暮らしを見直すきっかけがつかめたのではあるまいか。LEDの普及など、省エネ型の社会基盤整備にも弾みがついたのではないか。
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