──温暖化問題について、地球や人類が破滅してしまうかのように伝えられているケースによく遭遇します。学校教育などでも、気候変動を取り上げることが増えているようですが、子どもたちが環境問題に関心を持つ一方で、将来に対する不安感を募らせるだけの結果になっていないか心配です。 沖大幹教授(以下敬称略): 温暖化で何が悪いかと言えば、「変化する」ということです。暑くなることが人間にとって悪いかと言えば、必ずしもそうではありません。温暖化後に想定される日本の気温よりも暑い熱帯の国々でも多くの人が健康に暮らしていますし、東京の気温が20世紀の間に約3℃上がった結果、熱中症は増えているかもしれませんが、冬の死亡率は減っているはずです。 人間生活から見たときに大きな問題は、気候が変わると、それに適応していろいろな社会の仕組みを変えなければならないということです。変化に合わせて新たに冷暖房を見直すとか断熱