東京電力福島第一原発事故で福島県川俣町の自宅から福島市に避難した妻(当時58歳)が自殺したのは東電に責任があるとして、夫ら遺族4人が約9100万円の損害賠償を求めた訴訟で、福島地裁(潮見直之裁判長)は26日、東電に対し約4900万円の賠償を命じる判決を言い渡した。 原発事故に絡む自殺を巡って、同県相馬市と浪江町の遺族が訴訟を起こしているが、判決が出たのは初めて。 訴えたのは、渡辺幹夫さん(64)と子ども3人。訴状などによると、家族4人で暮らしていた川俣町山木屋地区の自宅が震災後、計画的避難区域(現在は避難指示解除準備区域)になったため、渡辺さんと妻は子供たちと別れ、6月に福島市のアパートに避難。慣れない土地での生活で、妻はうつ病などの精神疾患を発症し、翌月1日朝、一時帰宅した自宅の近くで焼身自殺した。